私にするとやや分かり難い本でした。どこが面白いのか?が分からないし、些細な所で違和感を感じてしましました。

 

ところが、評価は高くて、直木賞の候補になっているし、本屋大賞でも第3位と広く読まれている本らしいです。

 

多分、この本の魅力が分からないって事は、私の固定観念が強いってことなんだろうなぁ~と思います。せっかくの読書っていう想像を拡げることを楽しみにしているのに、自分の枠の中でしか楽しめてない、そんな気がしましたね。

 

読後にwikiで調べてみると、これまた不思議な作家さん。まずかなりの多作なんだけど、まだお勤めを継続していて、会社では「宮部みゆき」って名乗っているとか。BL(ボーイズラブ)の作家さんとして有名だそうです。(この本ではボーイズではなくガールズラブなんですがね)

 

 

境遇が違う二人の女の子が最初に出会うのは7歳の頃。片方はいわゆる「ええとこの娘」で片方は片親で自然食品に傾倒している母親との暮らし。まぁ「平均よりは下」ほんのほとんど一瞬と言って良いほどの出会いの印象が二人には強く残ります。

次に出会うのが、高校一年生。「平均より下」はあの時の「ええとこの娘」の制服の記憶をたどって、有名私立高に。偶然同じクラスになります。あの時の疑問や秘密が明かされそうなのですが、「平均より下」の家庭が頓挫して夜逃げ。また離れてしまいます。

次に出会うのは29歳。お互いに伴侶も居ます。ところが、出会った時から二人には過去の記憶が戻ってきます。お互いの伴侶も子供よりも、お互いを大切に思う気持ちに嘘は付けない~っていう感じでしょうか。

 

私はBLの小説とかアニメとか関心ないのですが、まぁこの話はその逆のGL(ガールズラブ)とでも言う作品なのでしょう。

でも、理解しがたい所も沢山ありました。

まず、登場する男性がどれもこれも「物分かりが良すぎ」お互いの伴侶は勿論、それって社会的にどうなの?と思えるような事も許してしまいます。「ええとこの娘」の父親や兄貴や弟も同じ。「平均以下」の伴侶もその兄貴もそうだし、この地域の住民の皆さんも、このちょっと訳アリの二人に対して、それはそれは理解があるのです。

 

和歌山の串本が29歳の章の舞台になっています。ちょうど昨年の夏に自転車で走った所だったので、書かれている風景が浮かんで、それはうれしかったのですが、この描写は「映像化」の時の効果を狙っているように思う私はまぁへそが曲がっていますね。ラストのシーンも映像化したら、きっとスリリングでキレイな和歌山の海岸線が流れるなかでの号泣のシーンになるのでしょうね。