映画の「永遠のゼロ」(私も行きましたここをクリック)で有名になった百田尚樹氏の本も本屋さんで縦積みになっています。「海賊と呼ばれた男」が一押しですね。百田さんはどの本も長編です。「永遠のゼロ」も軍部の無能さなどにはちょっと長すぎかな?と思わせるほどページを割かれていました。同じジャンルの話は書かないとも聴いたので、手に取ったのは時代小説の「影法師」です。(この題名も深いなぁ~)文庫で400ページ弱あります。それと袋とじがあります。「影法師」が発表されたのは2010年の小説現代だそうですが、この時の終章が単行本では未収録だったのですが、文庫ではなんと袋とじ(別にR-18ではない)で収録されています。
百田さんの本はボックスも読んでいます。こちらもどうぞ。


お話は江戸時代の小藩の若者の出来事です。最初に主人公が年齢を重ねたところから物語はスタートします。そして過去の様子を少しずつ紐解いていきます。これって「永遠のゼロ」も使った手法かな。でもこの時点で物語に引き込まれているのです。
努力家の青年と、まぁ家柄も良く文武両道に秀でた青年が登場します。この二人を軸に物語は展開しますが、友人のために自分を犠牲にしていたことが露見します。そこまでするか?男同士の友情ってこんなだろうか?百田氏はこうした男の友情がお好きなのかな。「ボックス」では二人の天才と努力家の高校生が登場。「永遠のゼロ」では搭乗員の間で生死をかけた友情が一つの軸になっていると思います。

場面が現代だと違和感が出て前に進めないかも知れませんが、舞台は江戸時代。こんなこともあるかな?と小さな疑問を胸に残しつつも読み進められます。これが現代を描いていると違和感は大きかったかな。

「どうしてそこまでする?」の疑問を持ちながら最後は泣けますよ。そして最後の袋とじを開くと「あぁ~」と納得することが出来ると思いますよ。


百田氏は映画やドラマに引っ張りだこでしょう。映画化するなら私は彦四郎は大河の「八重の桜」の神保修理役の斉藤工氏ですね。15歳くらいからの演技になりますが、十分やってくれるでしょう。本を読みながら彼の顔をイメージしておりました。 「抱きしめたい-真実の物語-」 にも登場されていました。最後まで勘一は思いつかないままでした。