オランダの自転車の話題が2つ。講演と本
自転車先進国のオランダの話題です。amebloでフォローさせてもらっている方(旅するパンダさん)が、今年の春にオランダに自転車旅に出かけられていて、その報告会が有りました。会場に行くことは出来ませんでしたが、オンデマンドで配信サービスがあって、拝聴しました。それと、図書館で「オランダ 自転車」で検索すると一冊の本がヒットしました。こちらは、絵画の勉強でオランダ在住の方なのですが、オランダの自転車事情を紹介されています。本はやや古い(2010年の発行)のですが、今年の旅するパンダさんの報告と差異はないように感じました。(違いが有るとしたら、電動アシスト自転車が増えている事でしょうか)本の方はアムステルダム市内の事を沢山取り上げておられまして、都市部の移動手段としての自転車の可能性を大きく感じます。オランダ自転車報告会(オンデマンド)興味のある方は、是非どうぞ。配信は300円だったかの有料配信です。現在のオランダの自転車事情が良くわかると思います。『終わりました!オランダ自転車ツアー報告会(オンデマンド版は配信中)』 ◎このブログの目次はこちら こんばんは 本日、2回目のオランダ自転車ツアー報告会を開催しました。 《こちらのイベントです》 …ameblo.jp私は旅するパンダさんをこのオランダ旅以前からフォローさせてもらっています。子育て卒業された女性が趣味であちこち自転車で走られています。京都在住なので、走られているコースで「パクらせてもらえるかな」くらいの不純な動機だったと思います。そんな彼女が、いきなり海外サイクリング、しかもキャンプ、航空機輪行とハードルが3段階的です。いったいどうしたのだろう~と思ってました。(しかもパンク修理も苦手)今回のオランダ自転車旅では松持英輝氏がリーダーになって、日本から10名+現地集合3名の合計13名さんで全員が自分のテントや寝袋を積んで、オランダを北から南に縦断する自転車旅でした。松本氏の情報を探したのですが、→〇 小さなころから旅好きで12才から一人旅を始め 20才からズタ袋かついで100カ国を旅してきました。なかなか魅力的な経歴をお持ちの冒険家っていう感じでしょうか。こちらが自身のサイトのようですが、最近は更新が滞っているのか、それとも応募が集中して縁故採用だけにされているのかな?と思えます。彼女の準備の様子(事前にキャンプや輪行)や関空に移動したりが分かります。(オンデマンド配信でアンケートに答えるとpdfがダウンロードできます。150頁超の中から1頁だけ紹介させて下さい。)ここでは後輪はそのままです。飛行機輪行って、リアのディレラーの破損が心配だなぁ~と勝手な想像をしていましたが、このリーダーさんご指定の輪行袋では、後輪はそのままなので、そういう心配はやや低減するように思えますね。海外でサイクリングをとお考えの方は是非ご視聴をお勧めします。オンデマンド版は2026年1月31日まで配信中です。本の方は「自転車のまち オランダアムステルダムをゆく」 自転車天国オランダを旅する。 自転車事情、交通ルール、レンタル自転車屋さん、おすすめカフェや名物など、オランダで自転車旅を満喫するためのフォト&エッセイ。出版は産業情報センター→〇この本では、アムステルダムで生活されいる著者が、実際に生活の足として自転車を使われての内容になりまして、都市部における移動手段としての自転車の利便性や将来性を感じますね。市内での注意で、自転車泥棒が多いっていう事が書かれています。これは、先の旅するパンダさんでも同様の事が言われていて、市内ではホテルの倉庫に自転車を置いてもらい、徒歩などで市内観光をしたと言われます。どうも自転車自体が高価なようです。自転車の価格を書かれていて新品の自転車が4,500ユーロ。当時の平均レートが116円程度だったようなので、50万円以上!そんなバカなぁ~。400~500ユーロっていう意味なら46,000円~58,000円っていう事なんでしょう。しかし、日本でママチャリで最低なら10,000円台で十分に購入可能なのですから、たしかに高いですね。また、レンタル自転車の記載も有りまして、1日が7~17ユーロ(812円~1,972円)と割とリーズナブルかな。借りるにはデポジットが必要らしいです。購入にしても、レンタルにしても、今の円安(ユーロ高)だと更に高く感じるでしょうね。自転車では、拝借しました→〇こんな魅力的な自転車も紹介されています。日本ではちょっとした距離の買い物でも、自動車を使うことが一般的ですが、こうした自転車がそういう役割を果たしているのでしょう。他にも、アムステルダムの魅力的なショップの案内とかも有って、市内観光をしているかの様に楽しめる本になっています。やっぱり国土や国民性の違いですねオランダは世界一の自転車大国だそうです。移動の分担率でオランダは27%が自転車。日本は12%、アメリカは1%、と日本の倍以上です。また、自転車専用道路の整備も進んでいます。都市部の移動だけでなく、都市間の移動でも、車の方が駐車場とか道路の事などで不便だったり、時間が掛かったりするようになっているようですね。オランダはご存知のように国土のかなりの部分が海抜ゼロ以下です。つまり干拓地でして、当然真っ平は地面が拡がります。それと国土はほぼ九州位の広さでして、コンパクト。自転車での移動が容易だと思います。山間部を多く持つ日本とは大きな違いですね。気候も風は強い偏西風ですが、雨は少ないし、緯度が高いので夏も涼しいようです。また、気質っていうか国民性にも違いがあるように思えました。日本では、戦後の成長期に物を所有することが富の象徴だったし、それが幸せにつながると考えたと思うのです。その一つが「自動車」でした。最初は高値の花だったのが、自動車産業の頑張りで庶民にも購入可能になってきました。しかし、道路はそのままでした。京都市内の市電なども、車の通行に邪魔だというような理由で廃止されたりしたのです。対してオランダの方はその物差しがちょっと日本とは違うのでしょうね。高価な自動車を手に入れるために休みも無く働く位なら、自転車で十分って考えたのかな?と思えます。それより、彼らが日本なら働き盛りの年齢にも関わらず長期の休暇を取って、ロングライドなどを楽しむ事のほうを選択しているように感じます。(九州一周rideとかでも出会うのは海外の人の方がずっと多かったです)なので、早計に「オランダを見習って」と言うのは、無理があるなぁ~と思いました。道路行政は、その国の有り様を表します。古くは東海道にしても、その必要性があって出来ています。自転車がエコだからとかの理由だけでは、とても大転換することは出来ないでしょう。なので、中途半端に見える、歩道を拡げて「自転車通行可」の道路が増えてしまっているのだと思います。しかし、これって最近増殖しつつある電動系の乗り物が制限を超えて走るようになるのでは?(どうしてあの電動系に日本の警察は優しいのか不思議ですが)と不安になりますね。私は一方通行を増やして、二車線→一車線にして、空いたスペースを自転車専用道にするしかないと思いますが、自動車にしたら不便極まりないことになりますね。日本の行政さんは「視察」がお好きです。おそらく私の住んでいる街でもオランダに行ったりしているのかな?と思えます。(前市長さんが自転車お好きだったし)しかし、こうしたオランダの現状を目の当たりにすれば、日本との違いが歴然過ぎて、どこから手を付けて良いのか分からなくなるでしょうね。