こんばんは。
Laduna Coco(ラドゥーナココ)です。
夜露のように
語らずとも、すでにそこに在るもの
そのひとしずくの呼吸と共に在る夜は
ひとつのやすらぎであり
”あわい”に咲く、名もなき祈りそのもの。
”いのち”と、共に。
最後まで読んでくださり
ありがとうございました
おはようございます。
Laduna Coco(ラドゥーナココ)です。
迷子の妖精のものがたり
これは、迷子の妖精
ミラちゃんのものがたりです。
ミラちゃんが、森のヘンテコな
生き物たちと出会っていきます。
ヘンテコな森なので
こまかいことや、むずかしいことは
かんがえないで、楽しんで下さい。
これまでのあらすじ
おうちに帰りたくて、帰れなくて
どうしたらいいのか分からなかった
迷子の妖精ミラちゃん。
「沈黙バー」の”沈黙の接客”の中で
ついに答えを見つけ出します。
するとその瞬間
「ひとしずく」の声がして・・・
物語の全話一覧はこちら
第15話(最終話) はじまり
「ひとしずく!!!」
ミラちゃんはびっくりして
辺りをキョロキョロしました。
ミラちゃんは、今回は泣いていません。
いったいどこから?どこから?
「ココ!ココ!」
声がしたほうを見てみると・・・
なんと!
グラスに残っていた
水色のカクテルの水滴が…
ひとしずくになっているではありませんか!
まったく
ここはなんてヘンテコな森でしょう!
ミラちゃんはクスクス笑いました。
「”ミラノオウチ”ニピッタリナ
トッテモ素敵ナ場所、知ッテルヨ。
一緒ニ行コウ!一緒ニ行コウ!」
ひとしずくは得意げに言いました。
翌朝
ミラちゃんは、自分の新しいおうちを
こしらえることにしました。
(夜は沈黙バーで
ウトウトさせてもらいました)
ひとしずくが案内してくれた場所には
年齢を重ねた、太い木が立っていました。
木は、しずかで、深みがあり
これからも更に育っていきそうです。
その木には
ホオズキのような袋の形をした葉っぱが
たくさんぶら下がっていました。
その葉っぱのひとつが・・・
ミラちゃんたちを見下ろし
ゆらゆらと
まるで頷くように揺れました。
ミラちゃんは、その葉っぱを
自分のおうちにすることに決めました。
袋の形をした葉っぱの内側は
やわらかな綿で覆われていて
ふかふかで、あたたかくて
まるで、がんじょうな雲に
包まれているかのようです。
おうち造りの手伝いに来てくれたパゴダが
お手製のランプをひとつ
ミラちゃんのおうちのてっぺんに
ぶらさげてくれました。
(ランプを嗅ぐと、やっぱり
カリーの香りがしました)
ミラちゃんは
新しいおうちが大好きになりました。
ミラちゃんは、この森と
森のヘンテコな生き物たちのことも
大好きになっていました。
ふかふかのおうちの中で
ランプのやさしい光を浴びながら
ミラちゃんは寝転び、深く息を吸って
自分自身に、こう言いました。
「私は、ぼうけんするために
ここに来たのよ」
お母さんの木で暮らしていたころ
幸せは、全て用意されていました。
これからは
よろこびも
かなしみも
あらゆる全てを
ミラちゃん自身が創造していくのです。
そう思うと、ミラちゃんは
自分の心の中にそっと咲いている
「とうめいな花」の中心から
”言葉になる前の、「何か」”が
キラキラとあふれ出てくるのを感じて
深く、深く、ふるえるのでした。
さぁ
今日はどんな1日になるのでしょう?
まだ誰にも、ミラちゃん自身にも
それはわかりません。
ミラちゃんには
たくさんの冒険が待っているのです。
でもその前に
一生懸命おうち造りをした
ミラちゃんには、お休みが必要でした。
ミラちゃんは
ほんのり笑顔のまま
やさしい眠りに落ちていきました。
その姿を
ほんのり笑顔のひとしずくが
やさしく見つめていました。
ひとまず、おわり。
ミラちゃんは、その後
どうなったのでしょうか。
お母さんと
再会できたのでしょうか。
じつは、この物語の結末は
もう存在しています。
ただ、その結末を迎えるためには
ミラちゃんがこの森で
たくさん冒険して
たくさん育っていく必要があるんです。
でも
結末が気になるあなたへ・・・
この言葉を、そっと贈って
この物語を、ひとまず閉じますね。
「見失ったように思えたものは
いつも、わたしの中で
深く根を張りなおしていた」
「その“はぐれ”も、“迷い”も
すべてが、根の一部であった」
あなたにも、素敵な冒険が
たくさん、たくさん
待っていますように。
ここまでお付き合いくださいまして
本当にありがとうございました。
Coco
森のヘンテコな生き物たちの
ご紹介はこちら
おはようございます。
Laduna Coco(ラドゥーナココ)です。
迷子の妖精のものがたり
これは、迷子の妖精
ミラちゃんのものがたりです。
ミラちゃんが、森のヘンテコな
生き物たちと出会っていきます。
ヘンテコな森なので
こまかいことや、むずかしいことは
かんがえないで、楽しんで下さい。
これまでのあらすじ
「沈黙バー」のカクテルを
一杯、また一杯飲むごとに
気づきが訪れ・・・
そして今、ミラちゃんには
大きな変化が起きつつあります。
店員のどんぐり娘は、沈黙の中で
それを見つめています。
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第14話 こたえ
3杯目のカクテルが
差し出されました。
シュワッ!シュワッ!
と泡がはじけた、水色のカクテルです。
なんだか、ひとしずくの色みたい。
ミラちゃんは、この色を
とても気に入りました。
一口飲むと…
なんて美味しいカクテルでしょう!
シュワッ!シュワッ!が
ミラちゃんの口から体内に入り
その全身を、よろこびや ワクワクで
いっぱいに満たしていきました。
いま、ここには
楽しいこと
嬉しいこと
幸せなことが
たくさん、たくさんある!
ミラちゃんは
そんな気持ちになりました。
ミラちゃんは
カクテルの味と共に訪れた
この気持ち、この心の変化に
しっかりと気づきました。
この変化を
「気のせい」と思うことも
「知らんぷり」することも
できませんでした。
だから、ミラちゃんは
どんぐりみたいな女の子に
こう言いました。
「私はおうちに帰りたい。
でも、お母さんの木がどこなのか
私は知らない。
どうしたらいいか、わからない。
なら、それがわかるまで・・・
私は”待つ”といいんだわ。
だってこの森には
ヘンテコなものがたくさんで
退屈しそうにないもの。
”おうち”がどこか、わかるまで
私、このヘンテコな森を
”おうち”にする!」
どんぐりみたいな女の子は
結局最後まで
一言も話さず
表情も変えず
ただ黙って聴いてくれました。
そう。
沈黙の中には
全ての”こたえ”があるのです。
ミラちゃんは
自分自身で見つけ出した答えに
大満足でした。
この森が
ミラちゃんのおうちになるのです!
ミラちゃんはワクワクしてきました。
「イイ、カンジー!」
ふいに、ひとしずくの声がしました!!
つづく
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