交差点を直進する直前で
「あ、ここ左!」
咄嗟にバックミラーで後続車を確認して急ブレーキをかけたタワシは、ゆっくりと左にハンドルを切りながらY子に言った
「あんなぁ、、もうちょいはよ言うてや。事故るし 」
「ごめん、ウチここらへんの道ようわからへんねん。家の近くならわかんねんけど」
「家って?どこなん」
「歌島」
「ウタジマ?」
ってめちゃ遠いやん!
ここから高速使っても30分はかかるやん!
「迷惑?」
「ああ迷惑や..って言うたらここで降りるか?」
「うん、降りる 」
「アホ!こんな時間にこんなとこで女を放り出して、何かあったらどうすんねん!」
「へ〜 意外と優しいんや」
「あのなぁ 、、それより、何で自分(お前)が俺の恩人なん?さっぱり心当たりあれへんし。それと、俺に聞きたい事って何なん? どうしても明日やないとあかんの?」
黙ったまま暫く返事がないY子の
横顔を見て驚いた
窓に左頬をあずけて
「Zzz.. 」
げ、寝てやがる(谷;)
何故かドキっとした
今まで薄っすら口を開けて小さく寝息をたてる女は母親と姉以外に見たことがなかった
にしても無防備すぎる!
もしかしてこいつ、俺が送りオオカミに豹変するかも知れんって思わなんだか?
まぁ俺様は賢い人間やから?
ちょっと興奮したくらいで
簡単に女に手を出すような
ヘマはしないけど? (笑)
国道2号線の歌島橋交差点が見えてきた
「おい、起きろ」
Y子はよほど深い眠りの中に居るのか、気絶したように口をアングリ開けてぐうぐうイビキを搔いていた
「起きろって!」
あかん、、
声にはピクリとも反応しないので、仕方なく歌島橋交差点の手前で停車して
こいつが反応しそうな音楽でも聴かせてみようど思って、作戦は成功
「あれ、ウチいつの間に寝てた?」
「よっぽど寝てなかったんか知らんけど、大鼾いびき こいて涎よだれ 垂らして、まるで酔っぱらいのオッサンみたいやったわ」
ナハシを盛りつつ反応を覗うと..
「そうなんや (笑) あ、ココでいいわ。ありがとう。じゃぁ明日また 」
おい!
「コーヒーでも飲んでく?」とか、労ねぎらいの言葉はないんか?
俺は、お前のアッシーか!!