この世に生まれて4年目の夏に、裏庭のアサガオやカンナに水やりをしていた時のことです


軒下とグミの木の間を颯爽と往復しているアリの行列を発見しました


彼らも花たちと同じように何となく水を欲しがっているよな気がして


ジョーロで水をかけてあげました


はじめのうちは手足を盛んに動かしていたので、タワシはてっきり大喜びしているとばかり思っていたんです


ところが、彼らはそのうち手足の動きが緩慢になり、やがて全く動かなくなってしまった

翌朝見ると、昨日と同じ場所で動かないままのアリたちがいたので指で突っついてみたのですが一向に動く気配がありませんでした


して、その数日後

今度は、虫カゴに入れておいたアブラゼミが3匹とも腹を上に向けたまま動かなくなっていました ガーン


で、どんなに突っついても動かないから父に訊きました


「セミさん動かないよ?」


「ああ、蝉さん死んじゃったんだね」


キラキラ

どんなきっかけにせよ比較的早い時期に誰もが持つ""の概念ではありますが、そうやって"時間"の概念もほぼ同時期に生まれた気がします


ただし"空間"の概念だけは芽生もしなくて (笑)


目に映るもの全てが、タワシには2次元の絵画や写真のように見えていたんですよね


"立体"の概念が芽生えたのは確か小学2年の春だったと記憶します


教室の窓から雲の形が刻一刻と変化する様子を、いつものようにぼんやりと眺めていると、その雲がイヌやパンダや龍だったりで


時間の経過と共に

姿を自在に変化させていました


と、ふいに


開け放たれた教室の窓から、生暖かい風が頬を撫でたような気がして



それはまるで何かの生きものの手のようで、その時閃いたんです!


雲は自ら形を変えているのではなく、風に流されて形を変えていたんだ 



あたりまえですが (笑)

でもタワシにとっては

それはもう大変な発見でありまして


フェイドインします

音量の上げ過ぎにご注意ください



月に僅かの小遣いをコツコツ貯めて半年がかりで買ったアルバムなので、初めて針を下ろした時のワクワク感ったらそりゃもうひとしおで ニヤリ


ところが1曲目の"Breathe"を聴いていきなり、タワシは奈落の底に突き落とされてしまったのでありまして、、


何故か関西弁の閻魔大王が現れ、この世を去って56日目の最後の審判を疑似体験したような、そんな気がしたんですよね

Breathe

1.

Breathe, breathe in the air

ようお越しやしたなw! 我々の世界へ

さぁめいっぱい深呼吸してや〜


Don't be afraid to care

そない怖わがらんと!

楽にしてええねんで〜


Leave, but don't leave me

もう少し下がってくれへん? 

近すぎやねんて!


いやそない離れんでも.. (笑)
別に捕って食おうなんて気はないさかいに


Look around and choose your own ground
そう、そこら辺でええわ!


さぁあんたの周りを見渡してみてみ?

そこはあんた自身が選んだ場所や


For long you live and high you fly
あんたは長う生きて

たいそう偉うなって

And smiles you'll give and tears you'll cry
きっとこれからも泣き笑いの人生で

And all you touch and all you see
見たり触れたりするもののすべてが

Is all your life will ever be
これからの人生やと思うてるんちゃう?


2.
Run, rabbit run
野ウサギはひたすら走り

Dig that hole, forget the sun
ひたすら穴を掘り続けるもんやさかいに

動けん太陽の存在を忘れよる

And when at last the work is done
だから終わりがあることも知らんくて

Don't sit down it's time to dig another one
また別の穴を掘りよる (笑)

For long you live and high you fly

そうやってあんたも一所懸命働き続けて

長く生きて幸せな人生を勝ち取ったんやから


取りあえずは、おめでとう ニコニコ

But only if you ride the tide
しやけど、潮の流れにうまく乗って

And balanced on the biggest wave
ビッグウェーブに上手く乗れたかて


You race toward an early grave
結局は誰かと競いながら

同じ墓場に急いでるだけなんやで?


キラキラ


アランもラッセルも、ヒルティやアリストテレスにしても彼らの唱える『幸福論』が虚しく響いてしまうのはタワシだけでしょうか


このような"幸福"の概念がタワシに欠如している理由の1つに、


恐らくは、この歌の影響が少なからずあったんじゃないかなと思います

そもそも、この世にもあの世にも幸福の棲み家って


本当にあるんやろか?って、そんな疑問をピンク・フロイドはこのアルバムの冒頭でいきなり投げかけてくるのです


"Breathe"にはゆったりした空間の広がりを感じますが、次の"Time"では一変して何かに追われているような


息も詰まるような緊迫した気分へと誘いざな われます


ロックの真骨頂でしょうか? 怒りの中から自然発生する叫びと同時に行間からは"賢明な忠告"が溢れだしてくるようでした


キラキラ


して閻魔大王は消え去り、今度はピンクフロイドそのものの素敵なお兄さん達が登場します


これも、関西弁のね(笑)


いきなりの大音量にご注意ください

 



Time


1.

Ticking away the moments that make up a dull day

チックタック刻まれる時間の一瞬一瞬っちゅうやつは、確かにあんたが言うような退屈な一日を作り上げているのに過ぎんのかも知れん


You fritter and waste the hours in an off hand way

しやからゆうてあんたは、何の準備もせんと時間を無駄に潰しとるような気がしてしゃあない


Kicking around on a piece of ground in your home town

住み慣れた狭い土地をうろつきながら

Waiting for someone or something to show you the way

誰か、もしくは何かがあんたの行くべき道へと導いてくれるのを、ただぼんやりと待ってるだけなんちゃう?


Tired of lying in the sunshine, staying home to watch the rain

家にひきこもって雨を眺めるんも

そろそろ疲れたやろ


You are young and life is long and there is time to kill today

あんたはまだ若くて先は長い


でも、いつまでもそうやって今日も退屈な一日を何もせんと過ごすつもりなん?


And then one day you find ten years have got behind you

そしてある日、10年もの歳月があんたを通り越していったことに気づくんやろな


No one told you when to run,

いつ走ればいいなんて誰も教えてくれへんのやし


You missed the starting gun

あんたは既にスターター・ピストルの合図を聞き逃しているんかも知れんのやで? 


(間奏)

2.

And you run and you run to catch up with the sun, but it's sinking

そのうち焦ったあんたは太陽に追いつこうと、走って走って走りまくる


しやけど、太陽は既に沈むところだったりしてな(笑)


And racing around to come up behind you again

してその太陽は、また一周してから再びあんたの後ろに顔を出すんや


The sun is the same in the relative way, but you're older

太陽は相対的には何も変わらず、ただあんただけが年老いていくっちゅうわけな


And shorter of breath and one day closer to death

して、あんたは次第に息切れが激しくなって


ある日今よりもっと、死が身近になっていることにようやく気がつくんや


Every year is getting shorter, never seem to find the time

一年の長さはどんどん短くなって、気づけば"その時"を見つけることさえ不可能になってしまう


Plans that either come to naught or half a page of scribbled lines

んでもって、計画は失敗に終わりあんたの人生は半ページほどのなぐり書きで幕を閉じるっちゅうわけや


Hanging on in quiet desperation is the English way

静かな絶望の中でじっと死を待ち続けるのがイギリス人気質っちゅうもんやけど


The time is gone the song is over, though I'd something more to say

 "その時"は、もう既に手の届かんず―っと先に行ってしもうとるわ


 さ、ワシの話はこれくらいにしとく


 まだまだ言いたいことはあんねんけど

 ま、そのうち分かるこっちゃさかいに

 

・・・・・・

"Breathe_Reprise"の和訳は割愛します



よう分からんので(笑)


 

時間の正体とは、一体

何なんでしょうかね?


分からないまま、今日もまた

なんとか生きてます笑い泣き