カーテンコール
割と昔からけんけんがくがく言われているのが
このカーテンコールの是非である
いるか要らないか長いか短いか?
有っても役者がズラッと並んで頭を下げて幕が降りるなり去るなり暗転なり…
ワタシは有り派ですね
一言で言うとコメディーだから(笑)
現実と虚構の論理で言うと多分本来なら
芝居は虚構の世界の物語なのでそのまま
暗転挨拶も無し
の方が良いかもなのだが中々に難しい
ところかと…
お客様目線で言うと散々夢の世界を観せられたあとに現実の世界をガッツリ観せられるのは
モノ?によっては中々に大変だよね?
まっ中には大好きなヒトも沢山いるのも事実で
使用前使用後を一気に見れるってのは中々の
醍醐味みたいなところもあるしね?
まっあとは多分内容だよね?
本編とカーテンコール自体のネ?
あと単純に劇場の大きさもあるかもなのだが
余談だがコロナ禍の時はやっぱり
カーテンコールと特に送り出しや終演後の
ご挨拶が出来なかったのはなんか寂しげだったネ
最もコレも経験値のこともあるのかもしれないけど…
それで言うと自分は大衆演劇で修行させて貰ったので終演後のご挨拶はカーテンコールから
楽屋見舞い迄セットでそれ自体が一つの
メニューでセレモニーだった(笑)
あるのが当たり前だったね

なのでその名残りというか自分的にも好きだったのでカーテンコールはもちろんやりました(笑)

エンディングからの暗転
そして
メンバーが正座して頭を下げて所謂土下座で
その明転を待ち曲キッカケで頭を上げ
曲カットアウトで
「本日は最終最後までのお付き合いありがとうございました」
一同
「ありがとうございました!」
座長の自分が挨拶をして一人づつ名前をコールして簡単に感想的にご挨拶
そう
自分なりに考えた今風の大衆演劇的挨拶をした

そして
順番はH君に…
ちょいと間があったのちになんとココで
とうとう声が出なくなってしまったのだ

えっ⁈ヤバイ!
終わり良ければ全て良しまであと少しのところ迄来て…

と何とスタッフと効果音師役で活躍して頂いたAさんがここであの秘策を使ったのだ
多分本来なら嗄れ声でもキッチリと挨拶すべきところだが…
パッとH君の背後にまわりまるで腹話術のようにやってのけたのだ
本編ではやばくなったら弁士作戦でいくつもりだったがこの展開なら腹話術師だと咄嗟に判断したのだ
いやぁ凄い!
皆天才だ本編のAさんもH君も皆天才だ!
予期しない事を当たり前のようにやってのけたのだ!
そしてH君になったつもりでいい加減な挨拶でそれに無理矢理合わせて爆笑を取った
そして最後の最後に一言だけ
「ありがとうございました」
ゆっくりと大切に絞り出すようにその言葉を紡ぐように吐いた
ここで気づいたお客様もいたかもなのだが
イヤもっと早く分かっていた方もいらっしゃったかもだが
良い!コレで良い
この一座らしい一幕だった
凄い!

気がつくと皆の目には熱いモノが溢れそうになっていた
そしてその熱いモノは暗転と同時に自分の頬をつたっていった

「役者たるモノお客様の前で私の涙を見せてはいけない
上手くいって当たり前涙見せて感動している
ウチはまだまだだと」
ばか…イヤ!はな太郎師匠に言われたことを
思い出した


そして無事…
2日目の幕は閉じた

「ありがとうございました」

送り出しをしている時お客様の顔から笑みが溢れて
「面白かったですよ!」
口々にそう言って下さった

嬉しかった
涙が出るほど…あっやばい!
ばか…イヤはな太郎師匠に怒られる(笑)

「ありがとうございました」
役者達の声が古びたビルの中にこだましたかのように…
いつまでも
いつまでも



そして……