強靭なヒト…

客入れ迄あと10分
全体集合
気合い入れからの客入れになる
H君は白湯を口に含みながら客席に座っていた
思わず自分も白湯を口に含みゴクンとやる

「集合!」
因みに気合い入れとは皆で輪になって青春宜しく肩を組み「ガンバルゾ!」 「オー!」
的な…
ただ残念ながらこん時の記憶が…(笑)

というのもこの気合い入れは後々間違いなく
ワタシの生き様というかワタシの真骨頂というかシンボリックなモノとして欠かさない行事の一つになっていくのです

こん時はいかんせん劇団としてやっていくつもりはまだ無かったせいかこの気合い入れ的な
部活動モードは全く頭にはなく公演を打つことで一杯一杯で色々と余裕がなかったネ

そう
余裕がなかったネ
H君の心情を慮ることも出来なかった
いきなり的に芝居の台本を書かされて
オマケにほぼ主演をやらされて
疲れと初日打ち上げで喉迄やられて…
そんなH君の心情を考える余裕がなかった

ただ
そん時はH君頼む!
としか思えなかった
情けなかったネ…

そんな時は
そう
流石のAさんがH君に一言…

それはスタッフが開場のコールをする一分前だった

「普通に張らずに…素喋りでいいからネ」
「ハイ」

「開場します!」

後で聞いた話しだが
H君は

素喋りの意味が直ぐには理解できなかったらしい(笑)
時間がなかったのでその場のノリで
「ハイ」と…(笑)



「いらっしゃいませ!」


いよいよ2日目
2日落ちになるか2勝目をもぎ取るか

のるかそるかの大博打

楽しみしかなかったネ!

こん時は…






そして……