根拠のない自信と情熱…

警備員のバイト先には色々な人種が集まっている(笑)
ミュージシャンや写真やら絵画やら役者
そして二足三足の草鞋を履いてあくせく働いてる
勿論それぞれに目標を持って頭の中は夢と希望でパンク寸前でバクもお腹一杯で舌を巻く程で
(アレッ?バクって悪夢だけ食べるんだっけ?)
まぁ兎に角この世に叶わないモノは無いってくらいにバキバキに目ん玉が決まっていたネ

そんなドリーマーの吹きだまりに救世主達?がいた
先ずはH君
奴は中々に凄かった
専門学校を出てある大物プロデューサーの制作事務所に入りAD的な仕事に就きながら映画監督になるべく修行していた

あまりのハードさに根をあげ何と8ヶ月で退社
取り敢えず専門学校時代にバイトしてたこの警備会社に仕切り直しのつもりで戻ってきた
そこで自分と出会ってしまった(笑)
楽しかったネ
やっぱり夢とかあるヤツと語るってのは…
話が決まるまでそれ程時間はかからなかった
因みに年齢は自分の5歳下で
ヤツとしてはまたどこかの映画関係の制作事務所に入り助監督から修行し直したいのだ

中々に難しいらしい
監督になりたいと思っているが脚本やらシナリオやらにも興味はあり何か書きたいとも思っていたらしい…

渡に舟…

芝居をやりたい
大人数用の台本は書いている
小屋もいつでも押さえられる
がしかし
ヒトが集まらない
企画を立ち上げてから大分時間が経っている
一度諦めてまたゼロからとも思っているが
一度諦めちゃうと中々次へ行くのが難しい…
などなどH君に愚痴半分で話した


H君は一つの条件と一つの提言をくれた
「次のスタンスが決まるまでなら手伝う感覚でいいならやらせてもらいます」
そして
「2週間くらい時間を頂ければ今揃っている人数の台本を書かせていただきます」
元々台本云々の話しはコッチから何となく振っていた
もし人数が集まらなかったら書いて貰えるかな?みたいな…
今迄ショートストーリー的なモノは書いた事があるらしく
ただ一つだけネックだったのが
制作費的な事もあったがやはり役者としても参加して欲しかった
「いいですよ専門学校時代に少しやりましたから
勿論下手ですが(笑)中途半端に関わらない方が良いですからいけるとこまでやらせてもらいますよ!」
頼もしかった

そして彼の台本が上がってくるのを待った
そしてその間に役者達に事情説明して何とか繋ぎ止めた
そしてまだスタッフもいない状態だったので
バイト先の仲間にH君同様声を掛けさせてもらった

天は我を見捨てなかった(笑)
笑っている場合ではない!

ただ一つ不安材料が無いワケではなく

H君はプロの制作事務所で経験が有る
少なからずともお給料をもらって

がしかし
分かっているだろうか
分かってくれるだろうか?

小劇場あるあるの
チケットノルマってヤツを!

キッチリと理解してもらうべく話しをしなくては…

誠心誠意心を込めて!

根拠の無い自信と情熱で(笑)

だから笑ってる場合じゃないって!


着々着々着々…
原宿の喫茶店でバイトしてた時ある先輩が
仕事で仕込みが終わりかけると決まって
このフレーズを口にして励ましだか何だかわからない呪文を口に出して軽く笑かしてくれた

「着々着々着々着々って音が聞こえてきたぜ」
ってネ!

よっしゃ
兎に角見切り発車でも

走り出したぜ
走り出したら止まるまで止まらないぜ

舞台という名の駅に着くまで…







そして……