手作りの機織り機、『

(my)織り機』の作り方を紹介します。

作るのは、いたって簡単、織るのはさらに簡単です。ただし平織りしか織れません。

 舞織り機の最大の特徴は、綜絖(そうこう)と筬(おさ)が一体になっていることです。

先日、東京アートセンターで色々な手織り機をみていたら、同じ発想の手織り機がありました。東南アジアの製品だったと思います。この用具の名前はリジッドへドルというそうです。

 私はこの用具をOTの学生時代に考案して(たぶんどこかで見て真似て)、OTになりたての頃は、額縁のような枠に糸を張って、コースター程度のものを織っていました。

 

今回は、進化発展した手織り機です。

 

1 材料

   ほとんどのものは、ホームセンターにあります。

  主な材料

 

品名

寸法(長さ×幅×厚さ)

単価

数量

合計

ファルカタ集成材

910

×

200

×

13

842

1枚

842

スブルース板

910

×

40

×

12

356

1枚

356

木管

200

×

径30

×

穴16

397

3本

1,191

桧加工材

910

×

5

×

5

46

5本

230

桧L型加工材

910

×

10

×

15

203

1本

203

桧加工材

910

×

5

×

2

20

1本

20

桧加工材

  910 

× 

15

× 

2

 70

 1本

 70

桧加工材

910

×

20 

×

 5

171

1本

171

Z六角ボルト

360 

×

M12

×

 

127

2本

300

マルカンボルト

40 

×

M5 

 

 

43

2本

86

合計3,469円

 

2.綜絖と筬の合体用具を作ります ④ ⑤ ⑥ ⑦

 

 綜絖は経糸を通して、交互に上下動させる用具です。機織り機の最も基本の構造で、2枚綜絖だと平織、4枚綜絖だと綾織などが織れます。手で上下させるものや足踏みで上下させるものがあります。

 筬は、通した横糸を手前にトントントンと押し付ける用具です。

 私の織り機は、それをひとつで行います。

 

  ○  ④の5ミリ角の桧加工材を11センチの同じ長さに切りそろえます。40本取れます。

  ○  ⑥の2ミリの桧加工材を1センチ弱の長さに切ります。カッターで切ると80個以上できます。

    1センチ弱であれば、雑でも大丈夫。

  ○  Ⅼ型の桧加工材を30センチの長さで2本作ります。

 

 さあ、組立です。

 その前に、組み立てるための道具を作ります。

 正確に、容易に作業するためには、道具の工夫が肝心。

 

  ○  L型桧を上下に置いて、11センチの棒と1センチのチップを、ボンドを付けながら交互に

    並べていきます。密着させるようにすると、棒の間がきれいな2ミリの隙間になります。

    今回は38本並べて、綜絖の横幅が27㎝になりました。

  ○  ⑦の桧加工材を30センチに切り、並べた木の上下に貼り付けます。ボンドをしっかりつけて、

    重しをして、一日おきます。

 ○  翌日、ユニディの工作室で、棒の真ん中に2ミリの穴をドリルであけました。

   1個でも失敗すると、これまでの努力が台無しになるので、細心の注意と集中が必要です。

   途中何度か一呼吸しながら、無事38個の穴があくと、達成感いっぱいのドリンクタイムです。

○  ケバを取ったり、カンナをかけたりして仕上げます。

 この『綜絖+筬』さえあれば、織り機が無くても機織りができます。

 棒の間隔も穴も2ミリなので、糸は綿糸か中太の毛糸向きです。

 

 写真のようにいろんなサイズのものを作れば、極太毛糸も織れます。

 30分あれば作品が完成します。

 

 

3.縦糸巻き棒と布巻き棒を作ります  ③ ⑨

 

 巻き棒を作ることで、長物が織れます。手織り機なので1m程度ですが。

  ○  ③木管の1本を、ちょうど真ん中の10センチで切ります。

               

 ○  ⑨Z六角ボルトに20センチの木管と10センチの木管を通して、30センチの長さになるよう

   ボンドで圧着します。ナットを締めれば、翌日にはきれいにつながっています。

  ○  木管の一方の端に、ドリルで6ミリの穴を、時計の12時、2時、4時、6時、8時、10時の

    位置に計6個、1センチほどの深さで開けます。

    巻きを止めるストッパーの穴です。これが大変難しい。私は一度もうまくできたことが無い

    ので、別の方法を検討中です。

 

 情けない出来( ノД`)

  今回も、工作室だけでなく、ユニディで新品の刃も買って挑戦したけど、無理でした。

  ○  30センチの木管に、ドリルで2ミリの穴を3個か4個、貫通させます。

  ○  貫通させた穴にタコ糸を30センチほど通して、結んでおきます。

  ○  木管の長さは30センチですが、織り機の幅に合わせて、28cm等に随時短くします。

 

4.機織り機の枠を作ります。  ① ②

  ○ ①のファルカタ集成材はやわらかくて作業がしやすい材料です。表は91㎝×20センチで

    すが、ここでは45センチ×30センチで作りました。

    前方を高さ20センチ、手前を高さ10センチにして、中間を丸くえぐるように形作ります。

    横糸を巻いた杼(ひ)を通しやすくするためです。

    私は鯨をイメージした曲線にしましたが、曲線切りができない場合は直線でも構いません。

  

  ○  前方と手前の上から3センチ、端から3センチの位置に12ミリの穴をドリルで開けます。

  ○  板の周囲をカンナややすりで滑らかにします。

  ○  スブルース板を30センチの長さに切ります。写真のように、ファルカタの板の下2か所、

    前方1か所にホゾを開けて、ボンドとねじくぎで織り機の形に組み合わせます。

 

 

5.舞織り機を組み立てます

 

  ○  前方の右の穴の外から⑨のZ六角ボルトを刺しこみ、糸巻き棒の木管の中を通して

    左の穴に出して、ナットで締めます。貫通させていた糸を避けて六角ボルトを通します。

    糸を引きながら調整します。糸巻き棒のストッパーの穴のある方が右側になります。

  ○  同様に手前の布巻き棒も取り付けます。

  ○  六角ボルトの右側のナットの上に、ストッパーを通す6ミリの穴を開けます。

  ○  ⑩のマルカンボルトを、板の外側から棒の方に差し込むと、ストッパーの完成です。

  ○  今回の舞織り機には、綜絖を乗せる棒を取り付けました。

  ○  また、「綜絖+筬」にも、棒にのせるバーを付けました。

    これで、綜絖を持ち上げながら杼を通すという難しい両手動作が必要なくなります。

 

  ふーっ、とりあえず完成しました。

 

  使い方はまた後日に書きます。