劇音楽家・上田亨さんコンサート | ガランリンの脇台詞 *わきぜりふ*

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伽藍琳(ガランリン)のブログ

飯能にお花見ハイキングに行ったその夜、
六本木の俳優座劇場に、
『上田亨さんコンサート』を聴きに行ってきました。 

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何年か前に長崎県大村市の市民ミュージカルのお手伝いをしたのですが、
私が関わらせて頂く年の前の年まで、大村市民ミュージカルの作曲を手掛けていらしたのが、
上田亨さん。ということで、
お名前はずっと前から存じ上げてました。

お名前だけじゃなくて、上田さんの音楽は色んな舞台で耳にしていて、
演劇のための音楽を創る作曲家として、私の中にインプットされていたので、
コンサートをやられると聞いて、ぜひ聴きに行きたい!と思ったんです。

そしてその情報をくださったのが、舞台の大先輩・春風ひとみさん

『アンナ・カレーニナ』でご一緒させて頂いていた時に、
ひとみさんから、
全国を廻った一人ミュージカル『壁の中の妖精』の秘話を伺って、
作品の誕生からずっと取材していたライターさんが書かれた本もお借りして読んで、

これですね、 ↑ すごーく感銘を受けて、
「きっともうやらないと思うわ」なんておっしゃったもんだから、
『壁の中の妖精』という作品を観なかったことをすごーく残念に思っていて、、、

だから、
日曜の上田さんのコンサートにひとみさんが飛び入り出演して、
『壁の中の妖精』の歌を歌われる!と聞いて、
これは絶対に聴かなきゃぁ~と思って。

2曲歌ってくださったのですが、
宝塚出身の気品も持ちながら、役者魂に溢れているひとみさんは、
やはりミュージカル界にとってなくてはならないかたなんだなぁ!と、
生意気にも感じずにいられませんでした。
本編をすべて観たい。ぜひとも再演してほしい です。

終演後にお会いしたら、
「普段着で(役として衣裳をまとって、ではなく)歌うなんて、、、」
とおっしゃってましたが、
私、俳優や女優が作品の中ではなく、
ライブ等で普段着で歌う劇中歌を聴くのは、
作品全体を観るのと同じくらい好きなんです。

作品の枠の中で歌っている姿よりも、
よりその人らしさ、役の後ろに横たわる俳優自身の個性が前面に出てくるし、
衣裳や舞台装置の制限を超えて、色んなことを想像しながら聴けるでしょ?

歌う方としては、
前後のセリフもなしに、衣裳も装置もなしに、
その曲の歌詞とメロディだけで、
置かれたシチュエーションや感情を表現しきる、っていうのは、
結構難しいことだと思います。
でも、だからこそ、限りなくシンプルに、その曲の魂だけを届けられる、っていうか、、、
だからこそ、普遍的なメッセージだけがちゃんと伝わる、っていうか、、、

ちゃんと説明できてます・・・ (^_^;)

だからね、私、たとえばNYに行くと必ず、
ブロードウェイが休演の月曜などに、俳優さんたちがやっているライブを探して、
聴きに行くようにしてます。

俳優が素に近い形で歌っているのを聴くのが、純粋に、面白いし、
そしてすごく勉強になるし、
その後(でも前でもいいんだけど)、ブロードウェイのステージでその人が何かの役を演じているのを観たりすると、
あぁ本当はこの役のタイプじゃないのに、さすがだなー、こんなふうに演じるんだーとか、
色々面白いわけですよ

上手く説明できてないけど・・・伝わってます・・・

日曜の上田さんのコンサートも、
沢山の女優さんが出てらして(俳優さんもいましたが、女性の出演者の方が多かった)、
しかもみなさん色も畑も違う方々なので、
同じ「歌を歌う」という行為でもそれぞれテイストが全く違って、
とても面白かった!勉強になりました

特に「アングラ女優です(笑)」と自己紹介なさった、
蘭妖子さんの歌が印象的でした。

上田さんの曲は、とっても温かくて、柔らかなメロディが心に心地よく、
そして当たり前ですが日本語をとても大事にされているんだなぁと、感じました。

いつか歌わせて頂けるチャンスがありますように