FZR400(1WG)
水冷4ストロークDOHC直列4気筒
走行距離 不明
沖縄県のお客さまからのご依頼です。
エンジン分解
エンジン単体のお持ち込み。
早速、分解していきます。
シリンダーヘッド
最初に目についたのがクーラント(不凍液)の通り道。錆だらけです。
燃焼室のカーボンはそこそこですが、穴が錆で塞がっていました。
簡単に清掃後、圧縮を計測。とくに圧縮が抜けているわけではないようです。
オイルが回っていたため、カムシャフトには錆はありません。
ボルト類も、プラグ以外はそれほど錆びなく、取り外せました。
シリンダーのウォータジャケットも錆がこびり付いています。
旧車、とくに水冷の場合、少なからず水回り(ウォーターポンプ・ラジエーター含む)に錆が発生している事があります。
今回のケースは錆が多めです。
・・・
いきなり話が飛びますが、完成したエンジンを車体に搭載しました。
通常、スーパースポーツ(レーサーレプリカ)のエンジンは塗装しないのですが、状態が状態だけに塗装しました。
あちこち手が加えられています。
ビトーR&D FCRキャブレター
FCRキャブレターの初期セッティング
当初、オーナーさまが新品で購入したFCRを装着したそうです。
キャブレターはあらかじめセッティングされた状態で出荷されているため基本、大きく調子が狂うことはないはずです。
例外として、エンジンを改造したり、吸気系など、大幅にバイクの仕様変更をおこなった場合は、初期セッティングから変える必要が出てくることがあります。
しかし、今回はそれに該当せず。
にもかかわらず調子が悪いため、「エンジンに原因があるのでは」と考え、ご依頼に至ったそうです。
オーバーホール後のエンジン+初期セッティング
結論から言うと、
オーバーホールしたエンジンで、FCR初期セッティングを試したところ、調子が悪かったです。
メーカーに問い合わせたところ、
実車でテストをおこなっているが、なにしろ40年近く前なので、詳細な資料が残っていない。「このセッティングが良い」という結果論しかわからない。
との回答。
つまり、結論に至った根拠となるデータが残っていないため、メーカー側も「こういう場合は、こうしたほうがいい」とか、アドバイスができないようです。
また、さきほどお伝えしたとおり、エンジンの状態によっても微調整が必要なことがありますし、バイクの個体差、走るシチュエーション、ライダーの乗り方によっても、セッティングは変わってきます。
一律で「これが正解」というものはありません。
そんなわけで、代表 日向みずから試走し、あらためてセッティングを行うことになりました。
日向いわく「簡単にフロントがロックするブレーキ」
エンジンが本調子になると、思った以上に加速したり、スピードが出てしまいます。そんな時、ブレーキのメンテナンス状態や、性能が重要になってきます。
その点、心配はなさそうですね。
リンク式サスペンション
ナイトロン製のサスペンションです。
日向いわく「サスペンションがまったく沈まない。路面とタイヤの接地感がない」「直線で車線変更すると、車体がフラフラする」とのこと。
装着されているタイヤが相当、古いのでその影響もありますが、サスペンションがまったく沈まないのは問題です。
イニシャルをかけすぎているのか、もともとの仕様でそうなっているのか・・・
理由はわかりませんが、調整が必要なようです。
有限会社ガレージ湘南
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旧車ライフお役立ちコラム
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