CB125T(JC06)P
空冷SOHC2バルブ二気筒
メーター走行距離19,183km
静岡県のお客さまからのご依頼。腰上のオーバーホールです。
ブローバイガス還元装置の形状、車体番号JC06-6000000番台という国内仕様には存在しない番号から察するに、逆輸入モデルかと思われます。
洗浄後のシリンダーヘッド
当店でオーバーホールしたCB125T最終型(85,494km走行)
比較すると、わずかに燃焼室に違いが確認できます。
逆輸入モデル
CB125T最終型
シートリングの形状が異なっています。
ピントが合ってないのでわかりにくいかもしれませんが、バルブが1本、削れていました。
カムシャフト
摩耗しているためカムシャフトブッシュは要交換
通常、19,000kmでこれほどブッシュが摩耗することはまれです。
オーナーさまが購入後、帰宅途中でエンジン停止。なんと、エンジンオイルが入っていなかったそうです。。。
シリンダー
1番のシリンダーの損傷が激しく、縦傷が入っています。
逆さまにしたシリンダー
フラッシュを焚いて撮影
ピストン
1番はピストンこそ溶けていないものの、焼き付きといえるレベルです
2番も傷は多め
ロッカーアームは、ご覧のとおりの有様。ピストンやシリンダー同様、エンジンオイルが入っていなかったわけですから、当然といえば当然です。
再利用すると音が出るため、部品が出るなら交換推奨です。
純正部品が出たので交換しました
・・・
写真が飛びますが、ヘッドまで組んだ状態。
圧縮OK、セルモーターが回ることを確認。
エンジン搭載
ブローバイガス還元装置
中華製シリンダーキット(ピストン、リング、ガスケット、クリップ、ピストンピン、ステムシールなど)を使用。
この年式のCDIは2個。社外品に交換されていました(後日、ウオタニSPに交換。始動性がおおきく向上しました)
電装系があちこち改造されていました。灯火類は、右後方のウィンカーが点かないので確認したところ、なぜかバルブが外れていました。付けると無事、点くようになりました。
ライトは大丈夫でしたが、ホーンが鳴らず。原因を探る必要がありそうです。
(スイッチの接点を洗浄して、配線を直して鳴るようになりました)
社外品のインテークマニーホールド(インシュレーター)
念のためインマニを交換しようと思ったのですが、国内仕様とは形状が違うらしく、寸法が合わないためつきませんでした。
昨年、国内仕様のCB125Tでは難なく取り付けられました。
エンジン始動
ひとまずエンジンがかかりました。
点検整備
ドライブチェーン交換。アスクルシャフトもグリスアップしてあります。
フロントブレーキキャリパーはピストンが錆びていたので、サビを落として揉み出ししてあります。
パッドはRK製に交換されていて、残量がありました。
試乗を終えて無事、完成です。
・・・
CB125Tは今のところ、中華製パーツがあるため、部品が入手しやすい部類のバイクと言えます。
(中華製部品については、当店のお客さまが耐久テスト結果を公開されています)
有限会社ガレージ湘南
旧車ライフお役立ちコラム
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