ZX-10R(2011年モデル)
走行距離1万8000km
エンジン焼き付き。オーバーホールのご依頼です。
OHしたZX-10Rのエンジン音を撮影しました。
※再生すると音が出ますので、音量にご注意ください。
オーバーホール後、「エンジンの音が静かになった」とオーナー様。
症状:他のバイクショップで購入後、一週間ほどで突然、峠道を走行中にエンジンがストップ。
その後、そのままエンジンがかからなくなった。(転倒や怪我がなくて良かったです)
クランクシャフトの焼き付きが原因でした。
クランクシャフト焼き付きの原因
オイルパンの中にゲル状の異物が入っていました。
オイルパンにあるフィルター
このヘドロのような異物のせいでフィルターが目詰まり。エンジンオイルが正常に循環しなくなり、その結果、クランクシャフトが焼き付いたようです。
エンジンオイル添加剤を使用して、オイルがゲル状に変質したのだと思われます。
エンジン分解
クランクケース(シリンダー)
焼きついたメタル
エンジンオイルが回っていなかったため、全体的にメタルの状態は良くありませんでした。
ガスケットを取り除いて、新品のメタル、クランクシャフトに交換。
ピストンのカーボンはこの排気量・走行距離では平均的なもの。
シリンダーもクロスハッチが残っています。
トランスミッションも異常なし。
カムシャフトも異常なし。
バルブとバルブスプリング
各部を点検・洗浄して、クランクシャフトを交換。
エンジン組み立て
通常、鍛造ピストンは再利用しませんが、走行距離が短いため再利用。
ピストンリング、ガスケットなどは交換です。
シリンダーヘッド
エンジン組み立て完了。
スロットルバルブや各種配線を装着します。
エンジンを始動して、問題なければカウルを装着。
代表みずから試乗して、納車します。
トラブル事例
ガスケットのないカバーからオイル漏れが発生。
クランクケースか、カバーにひずみが生じていたようです。
ガスケットを製作し、さらに液体ガスケットを塗布して対応。
CBR1000RRや、GSX-R1000など、ほかのスーパースポーツエンジンにも言えることですが、サービスマニュアル上、ガスケットの使用が「液体ガスケット」のみになっていることが多く、その箇所からオイルにじみや、オイル漏れが発生することがあります。
ブログではかなり割愛しましたが、当店のエンジンオーバーホール工程の詳細は、ホームページでご覧いただけます。
有限会社ガレージ湘南
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