24-07-29 1975年から1980年のぼくのトクサツ事情 | ヤマダ・マサミ ART&WORK 検:ヤマダマサミ

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主に仕事に関わる、特撮、怪獣がらみのブログです。
ときどき、猫が登場します。

24-07-29 1975年から1980年のぼくのトクサツ事情

印刷が上がるのが待ち遠しいです。修正して1日ロスして到着が8月1日になるので翌日のイベントに綱渡りです。

今回も商業誌とちがって主観で通しました。細かいところは目を瞑って下さい。108ページ飽きさせないつくりになったと思います。索引になる1975年から1980年のリストを添付します。1961年生まれのぼくの中学高校生のときの体験です。狂言回しと思って下さい。

イベントは引き続き参加者募集中ですがそろそろ締め切りになりそうです。さらっと書いていますが行けば良かった系ですよ。

なお、「宇宙船」読者で投稿していた宮本宅監督の8㎜作品(ブルーレイ化したもの)を特別上映でかけようと思います。あのころの映像作家たちがみんな目指した特撮の1つの理想的な形です。全体に熱くて懐かしい感じで、時代を捉えた空気感に浸れると思います。

※あと、神保町ネオ書房としましたが、企画がネオ書房で、会場はブックカフェ二十世紀となります。よろしくお願いします。

→千代田区神田神保町2-5-4 開拓社ビル2階

 

○イベント

 8月2日<日劇ゴジラ同窓会>於・ブックカフェ20世紀

  特別上映8㎜作品「砂丘の残像」(宮本拓監督)

○同人誌

 「ゴジラ映画大全集 上映中! 有楽町日劇」3日以降頒布

 

2つ項目があるので、ややこしいですね。

どちらも日劇ゴジラ前後の回顧です。45年も経ちますからね。みんな歳をとりました。いまの若い人には想像もつかない時代です。

特撮が趣味として成立したのはいつだと思いますか?

ぼくが高校生の頃は怪獣の本を買うのが恥ずかしかった。なにしろ「てれびくん」か「テレビマガジン」か、あるいは「テレビランド」しかありません。

あるとき「GORO」という青年誌を立ち読みしたら7ページに亘るウルトラマン特集がありました。最後の見開きに<ニュー・カルチャーのウルトラマン 我々は再びウルトラを持ち得るか>という見出しで趣味としてウルトラマンの楽しむ傾向があるとし、特撮の同人誌が紹介されたんです。「PUFF」「怪獸倶楽部」「衝撃波Q」の3誌。もう、震えましたよ。

その頃は「宇宙戦艦ヤマト」が再放送や映画化でブームが起きたアニメブームの真っ直中。それまでテレビマンガと呼ばれていた子供向けマンガ映画(動画)が初めてアニメと呼ばれた端緒。そして、アメリカで流行っている「スター・ウォーズ」ってなんだ!?という時代。

その年1977年初めに「大特撮」と言う分厚い専門書が登場しました。後半に東宝レコードから「伊福部昭の世界」と「ゴジラ」が。おいおい、ですよね。これが欲しかった! と言うものばかりが出始めたんです。

新聞記事に<日米合作ゴジラ>と<ネッシー>を見つけます。なにしろ「キングコング」が復活したばかり。来るか、ゴジラ! なんかそわそわしっぱなしでした。

とはいえ、「GORO」で紹介された特撮同人誌は憧れつつ、なにしろなんにも知識がありません。敷居の高さに物怖じしていました。

そこで「ぴあ」を片手に上映会を巡ります。東奔西走とはこのこと。ちょうど大学生たちが懐かしのテレビ番組を学園祭や映研の上映会にかける事が流行っていたんです。市町村の視覚センターで16㎜の映写機の映写資格をとると映写機が借りられる。制作会社にはレンタル用の16㎜フィルムがありますから。とくに<ウルトラQ復活祭>は猛烈に焦がれて駈け付けました。

78年が明けると本屋で見つけて興奮が止まらない一冊が出ます。ファンタスティックコレクション「空想特撮映像のすばらしき世界 ウルトラマン ウルトラセブン ウルトラQ」!

発刊したばかりのアニメージュやロマンアルバムもつねに買い揃えました。ポピーからキングザウルスシリーズやウルトラの超合金が出ました。高校生が園児に戻った気分で、オモチャまで買って良いのか!? 

追い討ちをかける「特撮映像の巨星 ゴジラ」と東宝レコードSF映画の世界シリーズ。幸せすぎ。心を揺さぶられ居ている時に落とし穴。「さらば宇宙戦艦ヤマト」によって、78年の夏は放心して終わりました。

79年の春、高3になったぼくは満場の親子連れの中でちょっと恥ずかしい思いをしながら「実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン」を鑑賞。あのお兄ちゃん大人なのにウルトラマン見るの? と言う視線に囲まれる時代でした。また、大人の繁華街をドキドキしながら足を急がせ池袋文藝地下劇場の<スーパーSF映画大会>へ通いました。

名書「すばらしき特撮映像の世界」が出たのもこの時期。

夏休み企画としてなんとびっくり「ウルトラQ」の再放送をフジテレビ。その裏番組にTBS「帰ってきたウルトラマン」の再放送。10分かぶるんですね。苦笑いの早朝6時でした。

そして、新宿小田急百貨店で始まった大ゴジラ博を前座として、それらの到達点に、この夏休み最大のイベント、日劇でゴジラ映画大全集が連日あるのでした。

 

まぁ、関東圏に生まれたおかげでずいぶん恵まれました。だから行かれなかった人の分、まだ生まれてないよと言う人の分まで、語り継げるものを残したいと考えます。年々歳々、お別れする仲間たちのためにも。

何年かしたら単なる記録だけしか残らないんです。現に、日劇ゴジラで検索しても、公的な資料はありません。そりゃそうですよね。

「GORO」の記事で、怪獣が子供だけのものではなく、大人の趣味として楽しんで良いのだと書いた、あの77年の安井さんと竹内さんの連名の記事は宣言だったんだと思うんです。そこからマニア本が世に拡がり、特撮は豊かな文化的な側面が形成された。日劇ゴジラはその馬印、象徴でした。たくさんのクリエーターが育った。

そんなことを書きましたし、今度みんなで語りたいです。

どうぞよろしくお願いします。