辰年の怪獣マンダ/ソフビの話 | ヤマダ・マサミ ART&WORK 検:ヤマダマサミ

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辰年の怪獣マンダ/ソフビの話

1963年の東宝の年末公開「海底軍艦」は、押川春浪の小説「海軍冒険奇譚 海底軍艦」(いまから124年前!)を原作に仰ぎ、ほぼ内容を一新した第2次世界大戦後20年目の現代劇でした。

原作は、日露戦争下、潜水艦が登場する以前の海底軍艦ともいうべき電光艇で少年が活躍する日本SFの先駆けになった海洋冒険小説でした。春浪が大学生の頃の作品でシリーズがたくさん出ています。

映画では関沢新一が作劇し、小松崎茂がデザインと全体のピクトリアルスケッチを担当。撮影期間が短い事でも知られる本作は、それでいながら本編も特撮も音楽も、重厚感がたっぷり全体を包んで硬質な人間ドラマ好きな人にはたまらない1本です。

怨念のような戦争への想いを見せる田崎潤演じる神宮司大佐と相対するのは「キングコング対ゴジラ」(62年)で名コンビを組んだギャグ担当の藤木悠さんと主役の高島忠夫さん。本作の予告編では極楽コンビと称されていました。

轟天健武隊も戦後生まれがこんなだとは思ってもみなかったでしょう。オリンピックの前年、時代が様変わりしていて、戦争世代と戦後世代のギャップが出ていた頃なんでしょうね。

ムウ帝国の守護神マンダは、小松崎のスケッチ段階では大海蛇でしたが、64年の干支が辰年だったため龍の怪獣になりました。

伊福部昭が書いた重厚な音楽で胎動する轟天号は東宝特撮の中でも屈指の名場面。ところが、マンダは格好は良いのにスケッチのイメージを越えられない、操演の限界を如実に感じさせました。

その点で新轟天が活躍する「ゴジラ FINAL WARS」(2004年)に軍配が挙がります。

 

当時見た「海底軍艦」は68年「怪獣総進撃」の併映でした。小学1年生のぼくはかねてからもう怪獣は卒業と親に叩きこまれていて、これが最後と覚悟しての鑑賞でした。夏休みの公開。

2本とも、メカが出ます。ぼくはこのころ蒸気機関車の車輪を身近に見たせいか(戸越公園に展示してあった)鉄の塊の機械ががにぶく動く悪夢をよく見ました。近年の「宇宙戦艦ヤマト2202」でガトランティスの大型船が燃えながら地球へ突進していく、あんな感じなんです。怖がりでしたからね。機関車も恐いんです。

「海底軍艦」は66年の怪獣ブームで誌面で知っていたのでついに見る事が出来ると興奮しました。大伴昌司の本は、あれも見たい、これも見たい。見たいものばかりでした。

そして興奮のまま家に戻り、このころは大滝のプラモデル「海底軍艦」はもう店頭になくて河田の「ノーチラス号」の残骸があったので、海底軍艦に見立てて怪獣ソフビと遊んだ記憶があります。

「ノーチラス号」は81年頃、絶版キットが箱で見つかって、安井さんに1つ廻してもらった記憶がありました。あれ誰に譲ったんだろうかな。

「怪獣総進撃」のムーンライトSY-3はマルザン最後の商品です。当時は店頭で見つける事が出来ませんでした。

この2本どちらにもマンダが出ています。2代目の方の活躍が印象に残ったのは晴天の屋外だからでしょうか。もし初代マンダが小松崎スケッチのように天を登って轟天号に巻き付いたら最高の場面だったでしょうね。

3時間で轟天号とSY-3、怪獣が1+11匹。たっぷり堪能させる興行で、下降していた怪獣ブームがぶり返す賑わいでした。

それから成長して、高校生で自分のような特撮ファンと出会うと、あれは雌雄なのかどうかの話題が出ます。2代目は角がないから違和感があったんですね。

ぼくが特撮を子供の通過儀礼の一端ではなく、大人の趣味だと思ってのめっていく頃だったので、どっちが強いと言う話題よりも、造型と言う技術に目が行って同じ型から作り直した別物なのか同じ物で角だけがないのか、気になりました。

本多監督の甥っ子と知り合って、まだ東宝の倉庫に轟天が残っていると聞いてドキドキしたんですが、残っていたのは「惑星大戦争」(77年)の轟天でした。

「スター・ウォーズ」や「宇宙戦艦ヤマト」ら歴史に残る傑作のブームの中で「惑星」が評判が悪かったのは仕方のない事だと思いながらも、好みで言ったらマニア人気の高い東映の「宇宙からのメッセージ」より「惑星」の方が上でした。ドリルメカが良いんです。いつか海底軍艦とゴジラが戦ったら面白いのにとよく話に出て、実際、アマチュア8ミリメーカーが作っていたと思います。

 

それからしばらくして、小学館で84年の復活「ゴジラ」へ向けて絵本と入門百科をやることになりました。山本直樹さんからぼくが怪獣のラテックス人形を作り始めていた時期だったのでジオラマでやろうよと提案され、企画を出したら通ってしまって、ゴジラと海底軍艦を同じ世界観で出せたのは、楽しい思い出です。

あの轟天号は映画のスチール撮りで使った3尺プロップの複製です。そのままだとどうにも歯がゆいので底面にジェット噴射用の穴を開け、翼は可動、ついでに艦橋も引っ込められるようにしたんですが、引っ越しの度に壊してしまうので、現在はM1号の西村さんへ預けてあります。どこかで展示されているかどうかは分かりません。

山本さんがホビージャパンの連載で紹介してくれました。その号、手元にないので写真を見せられません。

 

さて本題です。マーミットでミドルサイズのマンダ、海底軍艦大小、FINAL WARS版マンダ、ファイナルウォーズ版轟天の原型をやった事があります。

それぞれ2002年、2005年の仕事ですからもう20年も経つんです。

マンダは龍ですからそのままつくると鉛筆みたいで遊びようがない。ひょろっとしたものを飾るのもしょぼい気がして、動きを出す事にして、ソフビの属性を考えたら素直に海底軍艦に巻き付ける遊びが出来たら最良だと判断しました。

メーカーにそれは難しいと言われたんですが大変な作業でもなんでもなくて、もともとそういうギミックが用意された映画なので、そのまま再現した感じです。

逆に、FINAL WARS版のマンダは、メーカーから巻き付けなくて良いと言われたので、ポーズを付けました。スケッチだけでは心許なく、雛形を作って納得いく形を出して本番に望みました。ソフビで雛形を作ったのはこれと井上泰幸さんのアーリーデザインのヘドラだけです。

ファイナルウォーズの怪獣はじめ、西川伸司さんのデザインはつくり安いのでどんどん形になります。角が別パーツになるのは致し方なくて、こればかりはソフビの言い訳めいた部分です。昔の職人なら一体成形にこだわったでしょう。

昭和版がミドルサイズでデフォルメのきつい表現だったのに対してこちらはスタンダードで、リアル度が高くなっています。だいたいリアル6、レトロ4ぐらいの割合が良いみたいです。

FINAL WARS版轟天は、精密な図面は書かないで本体を先に作ってからパーツを合わせて行きました。

ソフビでメカ物を再現するのってデフォルメのセンスにかかってきますからむしろマンダより悩みながら進めました。

海底軍艦の大サイズは3尺モデルをなぞった感じです。これとムーンライトSY-3を続けて作りました。

大小どちらもドリルの三重螺旋を再現してあります。三重螺旋って旋盤じゃ無理なんだそうです。円の外周を120度ずつ3つの起点を決めて、螺旋状に1本ずつ山をつけていき、最後に削って均します。石紛粘度ならではです。

昭和マンダのおまけのムウ帝国皇帝陛下はどうしても付けたかったので。

肖像権があるので似せてはいけないが雰囲気を出してそれぽく見えるようにと言われました。これと同寸のおまけ、X星人波川は自分でも嬉しいアイテムでした。

 

せっかくなのでもう1つ。トイグラフでムウ帝国人(潜水スーツ)をつくっています。商品をもらってないので拾い写真になります。

どれも海外のコレクターが大にしてくれているのがとても嬉しく励みになります。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

Japan is influenced by Chinese thought.

Twelve creatures were selected to symbolize the year.

This system is called the zodiac and is made into votive tablets at shrines.

Ema are small boards on which you write your wishes and are posted at shrines.

This is to get God to see your wishes.

 

The 12 living creatures are called the 12 animals.

<Ne,Ushi,Tora,U,Tatsu,Mi,Uma,Hithuji,Saru,Tori,Inu,I>

12 types of.

This is a Chinese word used to express time and direction.

It was invented during the Warring States period of ancient China (dating back to the 5th century BC).

Vietnam, South Korea, and Taiwan also have the same ideology.

In Japan, it is given to rats, cows, tigers, rabbits, dragons, snakes, horses, sheep, monkeys, birds, dogs, and boars.

In this, the dragon is a creature of the imagination. Since the dragon can climb to the heavens, it means the emperor.

The reason why Manda appears in the Toho movie ``Undersea Warship'' (1963) is because the Chinese zodiac was the Year of the Dragon.