殺人者は極刑に処すべきだ。
親は子の罪の責任を負うべきだ。
周囲は変調に気づくべきだ。
自分の子供が人を殺してしまってもそう言えるのだろうか。
勤務中の吉永のもとに警察がやってきた。
元妻が引き取った息子の翼が死体遺棄容疑で逮捕されたという。
しかし翼は弁護士に何も話さない。
吉永は少年法十条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける
『付添人制度』があることを知る。
生活が混乱を極めるなか真相を探る吉永に、
刻一刻と少年審判の日が迫る。
この小説が現実になる前に読んでほしい。
デビューから10年間、少年事件を描き続けてきた薬丸岳が
あなたの代わりに悩み、苦しみ、書いた。この小説が、答えだ。
第37回吉川文学新人賞受賞作