
島が持つ閉塞感や呪縛を6つの物語で描く。
島から出て行く人にも残る人にもそれぞれの理由がある。
故郷とは幸せなものだけではないが、不幸なものも多くはない。
傷つきながらも人間は綺麗に生きることができる。
暗い海に青く輝いた星のような光。
母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた
“おっさん”が海に出現させた不思議な光。
そして今、私は彼の心
の中にあった秘密を知る…
島に生まれた人たちの島への愛と憎しみが生む謎を、
名手が万感の思いを込めて描く。
日本推理作家協会賞受賞作「海の星」他、傑作全六編。