「修羅の宴」 楡 周平「この城は俺の物。絶対に渡さない」 時代が人を狂わせるのか、人が時代を狂わせるのか。 高卒銀行マンは禁断の“錬金術”に手を出した――。 バブル期に大銀行から出向し、専門商社社長になった高卒の男。 その城に居座るには結果を出し続けるしかなかった。 未踏のビジネスを開拓し、 頭取からの汚れ仕事を引き受け伸し上がる。 地価も株価も天井知らずな狂乱の時代に蠢く、 金だけを追い求める修羅たち。 その宴は次第に、決して招いてはいけない男たちに巣くわれていく。 楡周平ならでは筆致で迫る、剥き出しの人間ドラマ。