私は北の大地に住んでいて、見に行きたいと思う博物館・美術館の展示はたいてい東京などで開催されているので、どうしても飛行機に乗って、宿泊できる所を見つけて…となります。最近の飛行機のチケット代やホテル代の高騰は、本当にキツイものがあります。

そんな私にとって嬉しかったのが、今月の3月23日まで札幌で開催していた「『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展―大和和紀・山岸涼子 札幌同期二人展―」です。SNSで知り、若い頃にこの2作品はどちらも夢中になって読みましたから、見に行きたかったんですよね。しかも、「札幌だからいつでも行けそう~」とタカを括っていたら、なんと開催期限が近づいてきて、あわてて見に行ってきました。

 


展示には、『あさきゆめみし』と『日出処の天子』の漫画の原画と、雑誌やレコードジャケットなどにお二人が描かれたイラスト作品が展示されていました。

漫画の原画は本当に綺麗なんですよね。イラストの原画もどれも美しいの一言。どんな風に描いているのかも、お二人の解説が所々入っていて、それも面白いです。何よりもその前後のストーリーが思い出され、「あー、この場面の源氏にはこんな風に感じていたんだっけ」「今でも厩戸皇子のほうになってしまうなぁ」とふむふむと読み、さらには漫画を読んでいた当時の自分のことも思い出されたりして、どっぷりと作品の世界につかってきました。

 

 

そして、前回の「その1」のブログで、行ききれなかった二つの展示があると書きましたが、いずれも「中国陶磁」の展覧会です。一つが永青文庫、もう一つが五島美術館。4月にまた時間見つけ行くつもりでしたが、なんと五島美術館のほうが3月31日まで、永青文庫も4月13日までと知り、しかもどちらの作品も今度いつ見られるかわからないので、3月の最終週に再び上京して見てきました。お財布的にはかなりの痛手でしたが、素晴らしい作品を実際に見られたので満足です。



永青文庫では「中国陶磁の色彩 2000年のいろどり」展を開催していて、こちらが所蔵する中国陶磁と近代日本の洋画家や陶芸家が中国陶磁を題材にした作品を展示していました。出品していたのは細川護立氏(細川護熙元首相の祖父)による蒐集品ですが、天目茶碗など一部大名細川家の伝来品も含まれています。私は唐三彩や青磁が好きなのですが、展示品はどれも素晴らしく、「ウットリ」します。

 



五島美術館は「中国の陶芸展」です。こちらも所蔵する中国の戦国時代からの中国陶磁を展示しています。個人的には、五島美術館の展示品もいいのですが、もっといいのが展示の説明なんです。もちろん永青文庫の説明も分かりやすいのですが、五島美術館の説明のほうがもっと詳しく、説明にこまめに地図があって、製作された窯のあった場所も分かるように工夫があるのです。

さらに、隣の「展示室2」では、「中国鏡と倭鏡」が開催していました。こちらでは、中国鏡とそれを模倣したと思われる倭鏡が並んで展示されていて、文様の解説と、倭鏡はどこをどう模倣しようとしたのかも説明されていて、とてもいい勉強になりました。展示品の中国鏡の中に「龍虎鏡」があって、青龍と白虎が描かれているのがあって、一人で盛り上がってました。

 

今月は、久しぶりにけっこう博物館・美術館を回れました。4月以降も、関心のある企画展があれば、時間とお金をなんとかして見に行こうと思います。

(あー、動物園にも行きたいんだよなぁ。)