シャーマン
モンゴルシャーマン教というのは、人々が狩猟、採集の生活をしていたごろ、すなわち銅石器時代から始まったと学者たちは見ています。これは紀元前1700年~2000年のことです。シャーマン教というのは、簡単に言うと永遠の天や地球、自然は生き物として、そしてその生き物を信仰することなのです。それで、シャーマンと言う人は自分の体から魂を抜けさせ、天や地下の地球を旅し、また他の人の魂を自分の体に招く神秘的な事を行う人なのです。モンゴルでは1921年以前、つまり人民革命前シャーマン教を信じ、シャーマン教を信仰していた人が多くいました。しかし、社会主義時代、反宗教的思想が強まってきて、西北部フブスグル県の森林に住むツアータン族の中だけにシャーマン教が残されました。1990年の民主化のおかげで、シャーマン教や仏教は復活され、現在あちこちにシャーマンたちが増えてきています。しかし、彼らの中でシャーマン教の独特の能力を保持する人は少ないとみなされています。シャーマンの能力は人が母親から生まれる時にできるようです。彼らはシャーマン教の儀式を行う時、特別な衣装を着ます。色々な布をつけた長くまだらなデールを着て、鷲の足や、鹿の角の形をした鉄の帽子をかぶります帽子の後ろには9色の布を垂れ下げ、帯には12支の動物の形が付いた9つの鏡をかけ、両手にはドラムや布の屑をかけた鉄リングの付いた木を持ちます。シャーマンのドラムは一番大切で、男のシャーマンはノロジカの皮のドラム、女のシャーマンはメス鹿の皮で作られたドラムを持つのです。シャーマン教では、このドラムというのは天に行く乗り物になると見なされています。
モンゴルのシャーマンたちは大体自然を思い通りにしてシャーマンの儀式を行います。雪害を乗り越えるとか、雨を降らせるように頼むなどのことを天の神様から詩にし、天や地下の神様らを称え、その後自分の魂に呼びかけます。このとき、シャーマンの人は詩を叫び、飛び込み、回りまた、泣きます。これを見た人は大抵怖がるのです。現在、モンゴル人はシャーマンの人に病気の治療をしてもらい、金持ちになる、幸福を祈る、悪いものから逃れるよう叫ばせるため行くのです。そして、シャーマンの言った通り仕事がうまく進んでいるとか、病気が治ったと言う人もいます。シャーマンを信じる、信じないというのは個人の信条によるものなのです。近年、世界各国でシャーマン教を研究する人々の数が増えつつあります。また、シャーマン教研究国際センターが設立され、毎年シャーマン教の儀式を行っています。今年、チンギスハーンの魂を呼びかける儀式の際、急に大雪が降ったためこれはチンギスハーンが聞いていた証だと見る人も中にはいました。