正しく怖がる | 今日もいちにち生きました

今日もいちにち生きました

2016年、直腸癌が再発。
治療の結果、一生の障害を負うことになりました。
2022年胃がん発覚。2023年咽頭がん発覚
3つの癌を抱える今。
以前の私とは生き方が変わりました。
がんと闘い、生き抜くことができた日々。
今日という日をつづります。

NHK Eテレ「肺がんサバイバー 余命宣告から6年 命の記録」を見ました。

治癒を目指した患者の治療法探しの記録です。

主人公は、45歳男性。
6年前にステージⅣの肺がんと診断されました。

初診時すでに脊髄に転移しており
先行された余命は10カ月。

手術も放射線も無駄。
化学療法が唯一の治療法とされました。

けれども主人公はそれを受け入れず
治癒の道を模索します。

訪れた医療機関は実に26カ所。
テレビ画面に映し出された26枚の診察券は圧巻です。

けれどそれはイバラの道でもありました。

300万円をかけて受けた陽子線治療。
腫瘍は退縮せず失敗。

腹部に転移したがんを切除するため
訪れた専門病院。

わずか10分で適応外の診断を受けます。

そんな彼にとっての朗報が新薬の承認。

オプジーボ(免疫チェックポイント阻害剤)です。

主治医に相談する主人公。

主治医の言葉は
「私ならやならい」
病状から考えて、免疫系に起きる副作用の脅威が上回るとの理由からでした。


生まれる希望と、それを打ち砕く現実。

余命10カ月を超えて6年。
今も治療法を模索し
今後もそれは変わらないという決意の言葉で番組は終わります。


この内容の受け取り方は人それぞれでしょう。

26枚の診察券というのは尋常ではなく
多くの患者さんには考えも及ばないことだろうとも思います。

私が共感したのは、主人公がぼそっと語った言葉。

「正しく怖がる」

私自身のことを振り返れば
初発時、がんについて散々調べました。

自分の病とは何なのか。

これから何がこの身に起きるのか

わからないことだらけだったその頃

疑問を解き明かすことは
不安から解放されることだと思っていました。

逃げることは恐怖を助長する。
立ち向かうことが克服するための方法なんだなんてね。

けれども、そのうち気づきました。
恐怖が無くなるということなどないんです。

そもそも恐怖心というのは
人間が生きるために必要なものです。

これがあるから私もここまで生きながらえてきたわけです。

いまさら、「恐怖を克服する」ことはできない。

ではどうすればいいのか。

要らない恐怖を取り除くことです。

自分の病状にとって
何が安全で何が危険因子となりうるのか。

それを把握した上で治療法を選択していくこと。

がんは怖い。
当たり前です。

誰でもそうです。
私もそうです。

けれどもいたずらな恐怖心は
治療を妨げ苦痛を増します。

かといって
「怖がらない」というのもまた問題。

怖くてたまらない。
不安でどうしようもない。
パニックに陥りそうだ。

そんな時
こう問いかけてみたいと思います。

その恐怖
正しいですか?




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