術前抗がん剤の効力 | 今日もいちにち生きました

今日もいちにち生きました

2016年、直腸癌が再発。
治療の結果、一生の障害を負うことになりました。
2022年胃がん発覚。2023年咽頭がん発覚
3つの癌を抱える今。
以前の私とは生き方が変わりました。
がんと闘い、生き抜くことができた日々。
今日という日をつづります。

がん腫にもよりますが
標準治療の主役は手術です。

「化学療法」や「放射線治療」は補助療法という位置付けです。

さて、この補助療法
術前に行うのか術後に行うのか、
治療選択において迷う場合が多い様ですね。

再発率の統計では
術前でも術後でも差はないという結果が出ています。

では術前と術後、
それぞれのメリットデメリットは何なのでしょうか。

私の場合は
去年の7月に再発の確定診断を受けました。

直腸の「吻合部再発両則リンパ節転移」。
これに前立線浸潤の疑いありというものです。

これに対し、術前の「放射線化学療法」を提示されました。

その理由は
1) 両側リンパに転移したということは全身に回っている可能性が
   高い。すでに全身病になっていると考えるべきだ。
   従って全身療法である抗がん剤を採用。

2) 画像上可視化されている腫瘍が抗がん剤により退縮が見られれば
  全身にある目に見えないがん細胞にも効果ありと判断できる。

3) 腫瘍が縮小すれば手術も小さい手術で済む

完治と再発を抑えるとは同義語です

術前の化学療法は腫瘍の退縮・増大の観察によって
その効果が判別できます。

一方、術後では抗がん剤の効果は判別のしようがありません。
統計的に12クール行うのが効果が高いとされているだけです。

特に私は腫瘍マーカーが反応しないタイプですのでなおさらです。


最初に始めたのはFOLFOX+アバスチン療法。
6クールの投与後の検査で
効果なしとの診断。

そこで、FOLFIRI+アービタックスにレジメンを変更し
こちらも6クール。

退縮が認められるという結果を得ました。

この瞬間に医師は放射線を併用しましょうと提案。

抗がん剤効果に放射線照射をすれば相乗効果で
さらに大きな退縮を期待できるからです。

今がまさにそのタイミングだと明確な判断でした。

もし、これが術後に行われていたなら
抗がん剤の効果もわからず、治療のタイミングも
精度の低いものになっていたと思います。

なおかつ私が抱えている大きな課題。

前立腺浸潤にからくる、骨盤内全摘手術の回避。

これも、直腸の腫瘍と前立腺の接触部分が腫瘍の退縮により
離れてくれれば可能性が大きく出てきます。


一方、デメリットもあります。

私はセカオピで複数の医師の意見を聞いています。
それぞれに実績十分な信頼に足る先生方です。

中には、放射線などしないで
いきなり切除に行くべきだとの意見もありました。

「疑わしきは切る」これがセオリーです。

補助療法で強引に退縮させ手術の規模を抑えれば
再発のリスクはその分残ります。

どちらが正解なのか。
命を救うという医師に課せられた絶対命題からすれば
拡大手術の選択が第一候補でしょう。

けれど人生は私のものです。

骨盤内全摘はダブルストーマになることを意味します。
さらに臓器の欠損による後遺症がどの程度出るのかも不安です。

QOL。
私はこれを重視したい。

現在の病院は全摘手術を回避することを目的とした
治療計画を立ててくれました。

再発のリスクは高いかもしれません。

けれども信頼に足る医師団だと思ってます。

術前の抗がん剤投与。
検査結果によるレジメンの変更。
腫瘍退縮の確認。
すかさず放射線との併用療法への移行。

私にとっても納得の行く治療法です。

今は全幅の信頼を寄せて
医師団と共に闘っていこうと思っています。


↓何か感じたらぽちっとね
にほんブログ村 病気ブログ 大腸がんへ
にほんブログ村