川島なお美さんの特別番組 | 今日もいちにち生きました

今日もいちにち生きました

2016年、直腸癌が再発。
治療の結果、一生の障害を負うことになりました。
2022年胃がん発覚。2023年咽頭がん発覚
3つの癌を抱える今。
以前の私とは生き方が変わりました。
がんと闘い、生き抜くことができた日々。
今日という日をつづります。

フジテレビ系列で放送された

女優・川島なお美物語~余命宣告 闘病全記録~


クリスマスイブに
しかも7時からという時間帯に違和感を覚えながらも
録画して観ましたよ。

感想は

凄まじい!の一言です。
映し出されていたのは
壮絶で鬼気迫る女優さんの姿でした。

この番組で勇気とか元気とかをもらった
という感想を抱く視聴者は少ないと思います。

そういうものとは明らかに異質なんですよ。


彼女のがんが発覚したのが2013年の8月。
奇しくも私と全く同じ時期ですが、
ま、それはどうでも良いことで・・・。

治療を勧める医師に彼女は言います。

「女優にとって体は楽器だ」と。

自分の体を傷つける治療の一切を拒否します。
番組内で紹介された治療も、腹腔鏡による手術のみでした。
それも、8件もの医療機関を回ってやっと見つけた治療です。

当然、治療自体が後手後手に回ってしまいます。

彼女の表面に傷はできない代りに
がんは体内を恐ろしいほどの勢いで
蝕んでいきました。

腫瘍の大きさがわずか4ヶ月で倍以上になり、
肝臓の8割が冒され、肺転移もあったということですから
増悪のスピードは相当なものだったようです。

それでも、彼女の心は常に舞台の上にありました。

腹水は5リットル。
たとえ抜いても翌日にはまた溜まる。
体重は30キロ前半まで落ち込みます。

そんな状態でいながらも、
彼女は舞台に立ち、笑い、歌い、踊るのです。

亡くなる一週間前まで。

いったい何が彼女をそこまで駆り立てたのか。


これは私の勝手な想像です。

川島なお美は
決して女優の資質に恵まれてはいませんでした。

名女優独特のオーラがない。

オーラとは不思議なもので
稽古や努力で身につくものではありません。

女優人生の限界。

彼女を突き動かしていたのは
そのコンプレックスではなかったか。

あがいてももがいても手に入らないもの。
それは同時に、
命をかけてでも欲しかったもの。

そして舞台の上にしか存在しないものでもありました。

ステージに立つ、その時だけ、
彼女は大女優としての自分を感じることができたんだと思います。

亡くなる一週間前の舞台の後、彼女は降板します。
その時の彼女の言葉

「舞台を降りたくない」

ありえないでしょう。
誰がこんなことを言えますか?。

体はボロボロで、セリフも抜けまくる状態。
とうに限界を超えていたんです。

突き動かしていたのは執念?
いやそれ以上の何かです。


闘病の記録。

番組のタイトルはそうなっていますが

実際は、生き様の記録です。

舞台の上で
全身全霊をかけて輝きたかった一人の女優さんの
生き様の記録として、拝見しましたよ。


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