Totoronの花鳥風月 -254ページ目

日展を鑑賞して思うこと2/2 ~しがらみの見える作品~


日展には、


驚くほど精緻な作品が


たくさんある。



前号で紹介した


「鮭」。



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新聞紙の上に置かれた、


多分、新巻鮭。





その口の曲がりようから


オスの鮭だと思われるが、


何とも言いようのない細かさで描かれている。




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毎年、


新聞と鮭という


このような構図での絵が


出品されているのだが、


最初見た時には、


写真かと思ったほどである。




間違いなく絵なのだが、


かといって


細部にわたって


写実的に描かれているわけではない。




鮭の鱗をご覧ください。


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決して写実的な描き方でないのが


お分かりだと思う。




だけど


離れて見ると


まるで本物に見えるのだから、


これこそまぎれもない


絵画の特殊技法であろう。





拡大した新聞もご覧ください。



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新聞紙に見えるのだが、


決して本物の新聞紙ではなく、


一字一字描かれたものであることに


驚きを隠せない。




鮭の背景の


新聞紙を描くのでさえ、


気が遠くなるほどの時間と緻密さを要する。





写実的な絵を


額縁を取ってお目に掛けますが、


額縁がなければ、


まずこれが絵だとは


きっと誰も思わないでしょう。



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どこかの家の


ある部屋に用意された


画材としての静物そのもの。





まるで、


写真のようで、


それが写真ではなく


絵なのだから


驚きである。



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このように


そっくりそのまま描かれた絵こそ、


第一級の作品なのだ、とは言わないが、


少なくとも、


このような技法を身に付けている人が、


のちのち


自分独自の表現方法を発見された時に


人々の心を打つ作品が


出来上がるのだと思う。





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絵画の手法は、


まず、


過去の有名な画家の


真似絵から始まる。




本物を


そっくりそのまま描くことは


その真似絵の最たるものであろう。




静物は


命がない分だけ、


まだ描きやすいかもしれないが、


命あるものは、


目に見えない命そのものを


描かなければいけないので、


あるいはもっと


難しいかもしれない。、



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少女を描いて、


少女に確かに命が宿っている。




写真では出ない、


命の重さが現れている。






まだある。


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9匹の命が


躍動している。



この鳥たちの躍動感は、


泳いでいる水の揺れに現れている。




これが、


写真ではなく


絵なのだからもう言葉もない。。






ところが、である。



こんな作品が入選して


展示されているのは


どうしても合点がいかない。



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テーマは 「地底湖の賛歌」 とあるが、


何を意味しているのか。





この作品の不可思議さは


その素材にもある



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なんと、「発泡スチロール」。



決して


彫刻の素材で


発泡スチロールが悪いと言うわけではないが、


木彫や


ブロンズなどと違って、


さぞ作り易かろう。



高速回転するグラインダーを使えば


こんな作品は


30分もあればできそうだ。





この作品が入選した


優秀さはどこにあるのか


私にはまるで分らない。




前号で、


書の部門で


派閥に入選作を割り振ったという


人のしがらみを話題にしたが、


この作品などは


そのしがらみが丸見えの作品のような気がする。




作者が、


親分のところに


たくさんの札束を持って行って、


入選を勝ち取ったのでは、と思うのは、


私の間違った考えであってくれればいいのだが。





この作品もそう。



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どこに入選するほどの良さがあるのか、


さっぱりわからない。




この人物像が


素晴らしいという人の、


考えを聞きたい。




言っちゃなんだが、


これで入選できるのなら、


私の作品が


来年は日展を飾ることになっても、


不思議ではないが、


そうはいかない。





私には、


親分との人脈もなければ、


金もない。





こんな世界では


貧しくとも腕のある芸術家は


決して育ってこないだろうことを、


憂えるものである。






牛の背に乗るこの子は


目を離すと、


動いてどこかへ行ってしまいそう。



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そんなリアル感を出せとは言わないが、


その隣の


青い服を着た坊主頭の


見学者と見間違うような像くらいは


作ってほしい。





日展は


秀作も多いが、


駄作も結構あるので、


見方によっては


人のしがらみまで見えて、


面白いといえば面白い。






日展を鑑賞した後の


感想ともいえない


愚痴のような独り言でした。




付録


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「キリスト誕生」              Totoron作









日展を鑑賞して思うこと1/2 ~秀作と駄作としがらみ~


ただいま、


日展開催中。


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期日 : 11月1日~12月8日。10:00~18:00(火曜休館)


場所 : 国立新美術館(六本木)




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国立新美術館



ガラス張りの


一見素晴らしい建物なのだが、


フランスなど


ヨーロッパの美術館と比べると、


芸術性は全くない。




正面玄関の


シンボルタワーのような


円錐状の建物は、


実にシャープで切れ味よさそうなのだが、


中には、


雨の日の時の


来場者の傘置きがあるだけで


早い話、


傘を逆さにしたデザインの


傘置き場。




ルーブル美術館の前の


ガラスのピラミッドと同じで、


無くてもよい代物。






さて、


日展だが、


私が勝手に


自分の陶芸の師匠と仰いでいる


日展会員


荒木俊雄氏の作品も陳列されており、


また、


荒木氏と旧交が深く


以前私もご紹介いただいた、


東京芸大学長の


宮田亮平氏の作品もあるので、


先日


鑑賞に行ってきました。




日展は大きく分けて、


日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の


5部門に分けられる。




私が真っ先に行くのは、


荒木氏や宮田氏の作品がある、


工芸美術部門。


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重厚な作品が


数多く並んでいる。




工芸美術の作品は、


どれも


手が込んでおり、


相当な時間をかけないと


完成しないものばかり。




書の作品のように


数秒とか数分で出来上がるものは


1つもない。




「赤の荒木」こと


荒木俊雄氏の作品


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「消えゆく和の形」



作品に


意識的に亀裂を入れ、


崩壊しつつある和の形を表現してある。




「消えゆく和の形」が


何を指すのかは


非常に意味が深いので、


ここでは


皆さんの創造にお任せしたい。




日展開催前に、


書の部門において、


石材などに文字を彫る「篆刻」の


2009年度の審査を巡り、


有力会派に入選数を事前に割り振る不正が行われたことが


朝日新聞の調べで分かった。


関係者によると、


流派有力者(日展役員職の人物)や


上位の師匠に手土産を持参して、


入選者の一席に加えてもらうのは


書の世界では日常茶飯事だという。





わずか数秒か


数分でできる書の作品に


私は全く芸術性を感じないので、


鑑賞する気にもならないが、


そのような世界があることも、


荒木氏は


「消えゆく和の形」としてとらえ、


あるいは憂慮しておられるのかもしれない。




どのような評論があろうと、


己の道を


信じてまい進される方である。





毎回


青磁の作品で入選を果たしておられる。


荒木貞年氏の作品。


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「風層」。



色彩に全くムラのない、


一途に平面的な


青磁の穏やかな作品に飽き足らず、


静と動をあえて組み入れ、


波風を立ててみる




風の織り成す模様を


静かに表現されたのだろうか。






東京芸大学長


宮田亮平氏の作品。


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「生と静」。



毎回イルカを題材にした作品だが、


イルカがテーマなのは、、


出身の佐渡島から、


夢を抱いて東京へ出る


フェリーの上から海を見ていた時に


何頭ものたくさんのイルカが


船と並行して泳いでいるのを見て、


いかにも自分を見送ってくれているようで、


イルカに勇気をもらった、と


回顧しておられる、


まさにそのイルカが、


脈々と


彼の魂の中に生きているからである。




わが魂の中で


静かに生き続けるイルカ、


「生と静」とは


そんな気持ちの表現かもしれない。




工芸美術は、


どの作品も奥が深くて、


実に見ごたえがある。




ところで次回は、


絵画の世界と彫刻の世界に触れるが、


Totoronの独り言は、


ここで一気に言い放題。







新聞紙の上に置かれた


鮭が一匹。



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その名も「鮭」。



驚くべき描き方なのだが、


長くなるので、


独り言は次回に。





よろしかったら


またおいでください。













一橋大学「一橋祭」 ~キャンパス内の手作りお祭り~


国立市の


「天下市」。




国立市と


商工会と


一橋大学が


3者で協力して開催しているお祭りですが、


大学通りの賑わいは


前号でお知らせしました。





今度は


一橋大学構内で行われている


「一橋祭」いっきょうさい)の模様を


見ていただきます。





一橋大学のキャンパスは、


国立駅前から


南へ一直線に伸びる


大学通りを挟んで、


東地区と


西地区に分かれている。




その


東地区キャンパスのゲート。



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一橋祭は


大学生の運営によるものだけに


すべて手作り。





こちらは


西地区ゲート。



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シンプルですが、


「44th IKKYOSAI」の文字が


読み取れると思います。




東西の構内には、


催し物場や


食べ物の屋台が


所狭しと並んでいます。





ここは


弓道部が運営している


射的場。




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女性部員が使用している


比較的弱い弓で


数m先の的を射ます。




観客は、


和弓の弓に触ることなんて、


ほとんどないので、


子供も大人も興味深げに並びます。




当たればそれなりの


景品がもらえます。




テキヤの屋台と違って、


ごまかしはありません。





こちらは


焼きソーセージ。




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調理する必要がなく、


どんどん焼くだけのものですので、


作り方は簡単。




食べる方も


片手で食べられるので人気です。



1本200円

2本300円


の価格表につられて、


ほとんどの人が2本買います。





面白いのは、


「天空の城ラピュタ」出てくる


優しい


「ロボット兵」




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1人200円。




どんなロボットかというと、


全て手作りの


こんなロボット。




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ロボット兵が抱えている


台の上に


踏み台を使って人が乗ります。




乗るだけで200円は


場所も高いけれど


値段も高い。




だから動きます。




動力も手作り。



部員が


4人がかりで


前と後ろを一生懸命押して、


グルグルと回します。



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数回回して終わりですが、


その時には


部員は「ふうふう!」と


息が上がっています。



傍にいた部員に


「押すのも大変ですね」、と聞いたら、


「重たくて大変ですが、後輩に押させていますので・・。」




運動部は


上下関係がはっきりしているのです。



こうして


社会構造を学んでいきます。





これは


「おでん屋」。



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すてごのおでんとは


一体どんなおでんなんだろう。




聞きそびれましたのでわかりませんが、


余り物でもいただいてきて


作っているのだろうか。




メニューには、


「ほねほねセット 200円」


「はいからセット 200円」 とありましたが、


それもまたわかりません。




大いに


謎に満ちたおでん屋。




ここは


「馬の雑貨屋」


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馬術部が運営している屋台ですが、


使用した馬の


蹄鉄を販売しています。




そのままのものが800円。


やすりで磨き上げたものが1,000円。



やはり


プレミアム品の方がよく売れると見えて、


後で行ったら「売り切れ」。




最高学部に学ぶ


理論家の学生たちが


手書きでこんな看板を描いているのも


また面白い。


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縁起を担いだわけではありませんが、


このような鉄製品には興味があるので、


私も一つ買いました。



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ずっしりと重い 「蹄鉄」。




競走馬の蹄鉄は


こんなに重くて頑丈ではないそうです。




早く走るためには


むべなるかな。






大がかりな


手作り舞台の上では、


それこそ


手作りの芸能人が


懸命に歌声を聞かせています。



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今日だけの歌手でしょうか。


それとも


歌手を目指している人でしょうか。




観客も大いに乗ります。







いかにも


見た感じが手作りのドレスですね。



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それでも


最高にヒールの高い靴を履いて、


舞台狭しと歌い踊ります。




バックダンサーは二人だけ。




でも


いずれも才媛です。




そんなこんなで、


一橋祭も


大いに盛り上がっていました。



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学園の構内は


さすがに若い人ばかり。




屋台の食べ物も


催し物も


決して嘘がなく


そして値段も安いので


どこも大人気でした。




この日ばかりは


一橋大学構内も


大学通りも


大賑わいの天下市。




雰囲気を味わっていただけましたでしょうか。


















国立市の「天下市」 ~大賑わいの大学通り~



先のブログで、


国立市の天下市に出店していた


古物商の屋台で、


リチャード・ジノリの


カップ&ソーサーを


安価で手に入れたことを書きました。


リチャード・ジノリ「カップ&ソーサー」 




遅くなりましたが、


その天下市の続編です。



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商店会の屋台が


たくさん出ていて


とても賑わいました。




国立駅前の


すぐのところでは


消防のはしご車が


子供たちに


体験搭乗をしていました。



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勇気のある子供も


いるものです。





どれくらいの高さになるのか、


考えもしないで乗り込みます。



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少しずつ高さを増していきますが、


これには、


ひょっとしたら、


見ている親の方が


怖くなるかもしれません。

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これだけでも


充分な高さ。




下からは


大人たちが


ハラハラしながら見守ります。



そんな大人の気持ちをよそに、


はしご車は


まだまだ高くなります。


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親からは、


子供の顔などとても見えない高さです。




高所恐怖症の人だったら、


もうとても怖くて、


箱の中でしゃがみこんでいるしかなさそうですが、


この子達は


まるで平気で立っています。



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望遠で覗いてみると、


笑顔さえ見せる余裕。




この子達の将来の夢は


もう消防士に決まったようなものかもしれません。





いろいろなところから、


特徴のある山車が出てきて、


雅楽を奏でながら、


道行く人の目を楽しませます。



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山車同士が


向かい合って演技を披露。



どうせなら、


観客の方に向かって披露したらいいのでは、


と問いましたら、


二つが向かい合ってやることで、


賑やかさを増しているのだ、との答え。



考え方はいろいろ。




大学通りは


歩行者専用になって


各地の連の方の踊りもにぎやかです。



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これは、「大江戸ソーランズ」。







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こちらは


「横田西多摩エイサー太鼓」。





現代風よさこいが


観客の目を引きます。



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「无邪志府中魁星」


(読めますか?)





和服と


激しい洋風の踊りがマッチして、


見ている観客の心も踊ります。



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「むさしふちゅうかいせい」と読みます。




魁星とは、


北斗七星の中で


一番輝きのある星の名前。




常に


一番輝く星を目指す、という心意気で


この名前が付けられました。




それにふさわしい、


いろいろな賞を取っているチーム。





そんな賑やかさの中で、


天下市は進んでいきます。






後半は


同時開催されている


一橋大学の


「一橋祭」。





「いっきょうさい」と言います。



次回をお楽しみに。(でもないか)










武蔵野の秋 ~鈴生りのリンゴ~



この


真っ赤なリンゴを


ご覧ください。



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リンゴって


一か所にこんなにたくさん生るのでしょうか。




ここは武蔵野。


青森ではありません。




こんなにたくさん。




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今が食べごろのようなのだが、


所有者は


収穫しようとはしない。




もっとたくさん。



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実の重さで


折れそうになるのを


細い枝はけなげにも、


必死でこらえる。




まさに鈴生り。




ここで


「鈴生り」について一言。




「鈴生り」という言葉は、


「果物などの実が群がってたくさんなっている様」


を表す言葉であることは


皆さんご存じだと思いますが、


なぜ「鈴」なのかを知る人は


少ないのではないでしょうか。




大体


鈴なんてものは


お守りでもキーホルダーでも


1個あれば充分だし、


神社のあの大きな


鈴の緒の鈴も


ほとんど1個しか付いていない。




鈴生りの鈴なんて


見たことがない。





この


「鈴生り」の鈴は


普通の鈴の意味ではなく、


この鈴のことを指します。



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「神楽鈴」 (かぐらすず)



神楽を舞うときに用いる鈴で、


小さい鈴を12個または15個つないで


柄をつけたもの。


歌舞伎舞踊の三番叟(さんばそう)などでも使われます。




この鈴の様子から、


鈴生りの言葉が生まれたのですが、


神楽鈴自体が


いつでも人目に触れるほど


一般的ではないので、


鈴生りは、


言葉だけが先行しています。





そんな


鈴生りのリンゴ。

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近所の家の


道路沿いに植えられている


「姫リンゴ」の実。




花の時もきれいだが、


実をつけた時も


なかなか見ごたえがあります。





私なら、


少しは整枝選定して


木の形を整えるかもしれないが、


いかにも自然体で


放置してあるのもまたいい。





武蔵野のリンゴは


大豊作。