私はがんになってある時から常識や固定概念といったものを取り払い、さらに知識や情報等の頭で考えるのを止めるようにしてきました。
そして一番大切にしてきたことがこの「修養」
私の場合、教養はないので精神を練磨して人格を高めるために「修養」を大切にしてきたわけです。(笑)
ガンになった当初は、私はサラリーマンだったのでその習性のように知識を得ようと講演会やセミナーに出たりして情報収集や治った人に会いに行ったりをしていました。
しかし次第に頭でっかちになり、思考ばかりが先立ち結局自分自身は何も変わっていない事に気付いたのです。
とはいっても精神を練磨するといっても何をしたらいいのか?が解りません。
精神修行というとよく瞑想やヨガなどが思い浮かびますが、私の場合性格上なのか、性質上なのか解りませんが、止まったり、ゆっくりしたりということがどうして出来ませんでした。
そんなとき昔好きだった「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉を思い出して、今一度体を鍛えようと思ったわけです。
でもこの言葉、もし願うとすれば「健やかな身体に、健やかな魂が願われるべき」というものは本来の意味であるとのことでした。
私はそれを知ってまずは「死にたくない!」「生きなければいけない!」願うのではなく、健やかな身体を作ろうと決めました。
そして抗ガン剤や手術でボロボロになった肉体を鍛えることで取り戻し、暴飲暴食で疲弊していた内臓を休ませるために食事や生活習慣を変え、さらに鍛えたり変えたりしたことで溜まるストレスを、規則正しい睡眠を取ることで解消するようにしたのです。
サラリーマンを辞めたのも、実はそれを継続するためでした。
すると不思議なことに、本当に精神状態も安定し、さらにやるべき事が自然に落ちてきたり、素晴らし必然的な出会いがあったり、ものごとがトントン拍子に進んだりという現象が現れだしたのです。
それは私が思うに、身体という目に見える現実が変化することで、心や思考のパターンなども必然的に変わり、それに応じて必要なものが与えられるようになるということだと思います。
当たり前のことなのですが、どんなことでも現実との関係性を保ちながら変化がはじまるということなのではないのでしょうか?
それを言い換えれば、現実を変えずして心も考え方も、もちろん現実も変わるはずがないということ。
しかしガンなど非常事態になったとき、ほとんどの方は現実を何も変えようとせず、治療や薬でガンという現実が変わると思ってしまうのです。
不思議な話ですね。
だから私はがんになってまずは身体という現実を変えることだけに焦点を合わせました。
その結果が今なのです。
病気直しに限らず、良く生きるには心が大切とか、魂があればなんて良く聞きますが、私は心も魂も身体があって宿るものであり、役に立つものであって、身体がなければ使いようはないし、広がりも持てないと思っています。
私はそんな考えのもと原点に帰って、精神論ではなく、心や考え方と現実との調和を目指すことにして、ボクシングや身体を鍛えることで精神面を成長させ、自分の心を耕すことで実りを得ようと思った次第です。
肉体を鍛えるということは、より自分を成長させようと、過去を越えて前に進もうという姿勢を示すことで、それは新たな可能性を生み出すという現実を作り上げることでもあります。
しかし知らず知らずのうちに、迷ったり、考えたり、情報や知識ばかりを集めるようになり、現実は何も変わらないような生き方になってしまったのではありませんか?
ガンなどの身体の病や鬱などの心の病も、みんな思考が先に来てしまうことで身体が置いていかれ、そして精神状態が保てなくなることで自律神経が乱れて罹患する病だと思うのです。
人は幼少の頃はこうやって身体が自然に成長していきながら頭を使って学び、それを生活に応用しながら生きているので人格を形成していく事が出来るのではないのでしょうか?
しかし残念なことに今の時代は、教育がおかしな事になってしまい、教養ばかりが優先されてしまっています。
そんな状態だから精神面が脆く、人間形成がうまくできないことでいじめや自殺、心の病や様々な生活習慣病を生み出しているような気がします。
未来を背負う子どもたちに、生き抜く力を養ってもらいたい!
今回、ノーマカフェでオルタナティヴスクール「ゆめなみ」を開校するのも、そんな思いがあってのことなのです。
がん治しも教育もまったく同じで、情報や知識ばかり詰め込み、自分はまな板の上の鯉状態・・・・
それでは良くなるものも、良くならないのではないのでしょうか?
何か新しいものを手に入れたいのなら、考えたり学んだりすることより、まずは身体を動かし、その経験と結果を積みあげ自分自身を変化させることで、新たな自分になっていくことがその第一歩だと私は思います。
そんなことで、もし何か自分を変えたいと思うのなら、教養でなく、修養を心がけてみましょう!