今年2月私たちが”めぐみ農場”に入ったときそこはまさしく“スラム街”“ごみ屋敷”

なんたってまだ不法滞在の外国人が住んでたんだから

そして今までやっていた人は癌で余命3ヶ月
痛みで立っているのも辛そうで、身寄りもなく病院にも行きたくないのでここで死ぬと言っている。

普通で考えればそんなところを引き継ごうなんて考える人は皆無に等しいだろう。

ではどうして引き継いだか?

私もマコト君もマイナスからの出発することの大切さを経験していたからだとおもう。

私は癌というそれまでの人生なかで最大のマイナスを力にしたことで、とても大きな力を得ることができた。
15時間の大手術、5年生存率20%あるかないか、再発したら余命半年・・・・

普通だったらそこで治すこと、即ちもとに戻ることを目指す。

しかし私はその向こうを目指した。

癌になったことで今までとはまったく違うあたらな幸せをつけようとして、今までとは180度生き方を変えた。

つまり0から出発しようとしたのではなく、マイナスから出発する決意をしたのだ。
0というのは以前の自分の出発点

癌の場合そこを目指すことは大きなストレスになってしまう。

ならば、折角マイナスまで落ち込んだのだから、新たな世界を創造しようと思い実行した。

すると苦しいことも多々あったが、ワクワクして楽しい!!

新雪に足跡をつけていくような感覚だった。

寒いと言って外にでなければ
足元が汚れるといって雪の無いところや人に後を歩いていては味わえない感覚だ!

その結果、「癌になってよかった」と言えるまでになった。

だから「マイナスの資源」に魅力を感じたのだ。
ぼろぼろではあるが、20000坪の敷地と、大きな施設、農機もあるのだから。

ここでは詳しくは述べないが、マコト君も病ではないが様々な経験をしてきた結果も名時思いを持っていた。
私より遥かに若いのに素晴らしい。
もしかしたらある意味先輩なのかもと思う。

そして極寒のなか、今までの恵農場とはまったく違う、私たちの思いの一杯詰まった“めぐみ農場”の妄想を語って多くの人に呼びかけた。

すると不思議なことにたくさん人が集まり、思っていたより急ピッチで“再生”は進んでいったのだ。

「どうしてこんなボロボロでゴミ溜のようなところに人は来てくれるのだろうか?」とマコト君と話していた。

今の時代、身の回りが便利快適すぎて“自分の労力だけでできること”がほとんどなくなってしまっている。
物が有り余った時代に、与えられすぎて自ら何かを創るなんてことをしなくても何でも手に入ってしまうびだから。

それが、自分で物事を作り出すことをできなくしたり、やっても無駄という気持ちを生み出している。

そんななかで農場は1時間作業すればそれだけ綺麗になる。農作業もやったことが見える。
それは、未来の綺麗になった姿や、収穫の場面をも創造できるのだ。

そしてそんな一人ひとりの力が今のめぐみ農場を創ったのだと思う。

不法滞在の外国人は、マコト君が農場に入った翌朝に入国管理局が入り連れて行ってくれた。

こんなことも普通じゃありえない。

こうしてめぐみ農場は動き出したのだ。

これが普通の場所、0だったらこうはいかない。
ましてや、お金を掛けて作った新しい施設ならなおさらだ。

私はその理由は「かかわり」が少なくなってしまうからだと思う。

小さなかかわりが集まって大きなものを創る。
それが自然界の在り方なのではないか?

私は、めぐみ農場でそんなマイナスの資源にこそ価値があることを実証したいと思っています。

具体的に言うと、耕作放棄地、今の社会に馴染めず心が病んでしまっている人、癌や様々な病で苦しんでいる人、役割を感じられなくなったお年寄り、等々・・・・

これらはすべて経済優先の現代社会の中では価値を見出すことはできない。

しかし私は、本当の価値あるものは多くの人の思っている価値の対極にあると確信をしている。

そして、そんな小さな一つ一つの行動や思いが集まったときに今までにない新しい未来が出来上がるのだ。

めぐみ農場は何時でも、誰でも WELL COME です!!