私はがんの患者さんに、癌を治すことをゴールとせず、癌を治してから何をするかをゴールにしたほうがいいと話しています。
 
癌治すことをゴールにするのは、苦しみから逃れたいとか、癌に勝つとかいったことが動機や目的としなければいけなくなり「闘争心や逃走心」が発生します。

その状態は交感神経優位で癌を作ってしまう状態です。
 
癌が治らない理由はそこにもあります。
 
治してからしたいことを動機や目的にする事で、「幸せに向かっている達成感」がでてきます。

それが副交感神経を優位にして癌を治す力にもなってくれます。
 
私が幸せにこだわるのもそこにあります。
 
ただ「幸せになったから癌が治った」なんて事を理解できる人は少なく、「癌が治ったから幸せなんだ」と思ってしまう人がほとんどなので、癌と幸せを対極に持ってきています。
 
私は本当は 癌を超えたところに幸せがあると思っていますが、どうしても越えようとはしなくて突撃してしまったり逃げてしまうので対極に置くようにしています。
 
もう一つは、「ゴール」を「最終点」にすると、ゴール間近になると妙な安心感や気の緩みがでてきます。
 
雪山で遭難して一生懸命歩いてきて、山小屋のあかりをみつけて近くまで来たときホッとして緊張が途切れたとたんに動けなくなって死んでしまうような患者さんが多々あるのです。
 
私もハーフマラソンを走っていて、今まで10キロ地点、17キロ地点とか出ていた標識が、18キロ時点で「あと3キロ」と変わったとたんに気が緩んで足も痛くなるは、息も苦しくなるはで大変な思いをした経験がありますが、これもゴール間近になったという安心感から出た気の緩みが原因だったと思っています。
 
更には、妙なものでゴールが大きすぎることで、今度はゴールしてしまったらやることがなくなってしまうと言う恐怖感や不安感が発生することがあります。
 
知らぬ間に病気に依存してしまっている状態が出来上がってしまうのです。 

そしてこれも、ゴールが近くなるに連れて治りたいと言いながら、潜在意識が治ってしまったらどうしようと働き、油断してしまったり、無意識のうちに悪くなるようなことをし始めるのです。
 
これは嘘のような本当の話です。
 
また、定年過ぎて家でちでボーっとして家族にも邪魔だと言うような目で見られていた人が、癌になったことで人が見舞いに来てくれたり、家族が優しくなったりすることで、治ったら以前のやることのない孤独な自分に戻ってしまう不安感がでてきてしまいます。
 
このパターンの人はとてもたくさんいます。
 
酒を飲むことでゴールをごまかす、アルコール依存

仕事をゴールとしてしまって仕事を取ったら何ものなこらない、仕事依存

病なおしをゴールとしてしまって、病気と親友になってしまう、病気依存
 
すべて自分を見失ってしまう現代病です。

また正しさを目標にしても戦いや怒りが起こります。 

反対運動なんてまさしくこれにあたります。

戦争は正義の主張の結果?

自然界の中には正しさも間違いも、善も悪もありません。

そんなことを言ったり考えたりしているのは人間だけ。

他を見て非難中傷するより、自分が自分らしく出来ることをする人がふえればきっと良い世の中になるのだと思います。

人間以外の生き物のように!