昨日は大阪、神戸で、映画「降りてゆく生き方」プレ上映会
「生き方」を教えてくれたのは「がん」だった!
~ガンにならない「降りてゆく生き方」の世界とは
に行ってきました。
この日は総合プロデューサーの森田さんとも久しぶりにお会いし、「がん」と「生き方」について参加した皆さんと一緒にワークショッわプをしました。
5年前、私ががんになった原因は「上に上に登っていく生き方」。
つまり我欲や見栄、こだわりに執着し上に上り続けて、うつ病になり、「がん」になりました。
今、振り返ってみると、上ばっか見ているときには、足元を見るなんてことは考えもしなかった。
ましてや、降りるなんて・・・・負けた人のすることだと蔑んでいたような気がします。
しかし、私は「がん」になってその過ちに気がつきました。
15時間に及ぶ手術後の私です。
2日間人工呼吸器を付けられて、身動き一つできない状態でした。
意識だけはちゃんとあるのでまさに生地獄です。
「がん」の手術といっても多くはここまでの状態にはなりません。
だから苦しみを忘れてしまい生き方を変えるまではいかないのです。
私の場合はこのとき「今の自分の状態は生きていると言えるのか?」
「このまま死ぬのでは?」
ナースコールを手放したら、自分では人を呼ぶこともできません。
恐怖でナースコールだけは絶対手放してはいけないと手首に巻いていました。
寝ている間にどこかに行ってしまったら?と思ったら眠ることもできません。
自分の力では命を継続することは何もできない無力感。
本当に辛かった
でも、今思うとこの状態があったからこそ生まれ変われたと思っています。
話すことも、身動き一つすることができなかったからこそ、当たり前にしてきたことに感動できるようになりました。
とことん絶望感があったからこそ、絶対に戻れないと覚悟ができました。
そして人工呼吸器が取れたと思ったら、翌日「縫合不全」という合併症で体の上半身が風船のようにふくれあがりました。
口から息を吸うことができるようになって、首の切ったところから空気が体内に入り、上半身にたまったのです。
これは膨れかけたとき自分で撮った写真ですが、その後どんどん膨れ続け目も全く開かず、この先どうなるのか?
主治医も今までに経験がないらしく、何をやっても引かないので、別の病院から食道の専門医にきてもらうことになったという報告を受けましたが、先生が来たのは真夜中。
腫れ出してから12時間、この時の底知れぬ恐怖感も忘れられません。
急遽、空気を抜くための再手術をし、以後空気が入らないようにチューブを何本か入れられ、貯めることができたのは術後22日目。
おかげさまで食べれることへの感謝の気持ちも自然に湧きました。
自分では何もできないという無力感があったからこそ、主体的に生きようと「生き方を変える」ことが出来たのだと思います。
こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、「生き方変える」ことができないのは、まだまだ肉体的苦しみや心の絶望感が少ないからだと思います。
私は講演会で、「苦しみが多い人ほど幸せになれる」と言っているのはこのような理由からです。
私は「死」を目の当たりにした時に、生きていることの喜び、と同時に、大きな何かによって生かされていることに感謝の気持ちがもてるようになりました。
また、今までの「生き方の間違い」に気付き180度生き方を変えることで、身も心もガンになる前よりも幸せになりました。
今になって思うことは、あの体と心に苦しみがなかったら今頃はどうなっていたか、解らないということです。
今になって思うことは、あの体と心に苦しみがなかったら今頃はどうなっていたか、解らないということです。
あの時の苦しみは、私を幸せにしてくれるために神様が与えてくれたのだと思っています。
だからこそ、病や苦しみはメッセージだと言っているのです。
話がずいぶんそれましたが、私が「降りてゆき生き方」を一人でも多くのひとに見て欲しいと言っているのは、こうなる前に気づいて欲しいという一心からです。
私は命を継続できました。
しかし、患者会会長として患者さんに接して、私はほんとうに運が良かったと実感できました。
多くの方が、命の継続ができないのです。
「がん」になるとパニックのあまり、生き方を変えることよりも、治す方に目がむいてしまうからです。
がんになる前に気づいて欲しい!
でも、講演会で話してるだけではインパクトや感動がまだ薄い。
劇場でたくさんの人と一緒に大きなスクリーンでみる映画の方が、はるかにインパクトや感動が大きく。人が変わることができる可能性が高くなります。
「降りてゆく生き方」には、様々な気づきがあります。
私はそのほとんど「がん」とつながっていると思っています。
総合プロディユーサーの森田さんも同じことを言われました。
本当にこの映画は、生き方を様々な角度から見ることができるいい映画です。
是非見てください。