《11年前のあの日》
2011年3月11日のその時間。私と長男は水戸のショッピングモールのイベントで納豆販売の最中でした。出店者仲間と大きな柱に身を寄せ、高い天井から降り注ぐ照明のかけらを眺め…。恐怖というより驚き。映画のワンシーンのようでした。
夕方まで様子を見て、いつもなら1時間の距離を8時間かけて帰りました。信号は消え真っ暗で、延々と続く車の波。近道しようとすると道路に亀裂が入っていて進めない。また国道6号線に戻る。前日にガソリンを満タンにしていて本当によかった。
その時間、工場にいた社長は、重さ何百キロもある盛り込み機がズレ動くのを必死に止めようとしていたと。小学校2年の娘は、みんなで校庭に集まり保護者が迎えにくるのをジッと待っていた。
その後も余震が続き家の中は危ないので、社長と娘は車中に待機。深夜2時に私たちが帰り着いたときは、クルマから飛び出して4人で抱き合って泣いて無事を喜びました。
本来ならイベント初日は必ず参加する社長が、たまたま体調がすぐれず家にいた。もし予定通り3人でイベント会場に出かけていたら、娘は夜中までどんなに不安だったろうかと思う。
海沿いの日立市は震度6強。
久慈浜や河原子海岸では津波をかぶり、クルマが流され、お店や住宅は浸水、道路は亀裂。隠れた被災地とも言われます。
ウチは高台なので水の被害はないものの、自宅と工場は半壊認定でした。壁が剥がれ、天井が落ち、建屋のあちこちに亀裂、家の中はドアが開かず、割れたガラスと落下物で歩けない。菊水もこれでおしまいか、と呆然とした感覚は覚えています。
でも、深夜に抱き合った喜びはもっと強く記憶にあります。命があって、こうして商売を続けていられるのは本当に感謝なことです。災害に遭った経験、毎年巡るこの日、私にとっては生きている喜びを心に刻む機会になっています。
そして奇しくも、今日はわが社の大事なスタッフSさんと、かつて伝説のスタッフだった鈴木さん、忘れられない2人の誕生日。お誕生日おめでとうございます![]()
(2022/3/11)
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