残念なパリ旅行はちょっとひとまずおいて、わしのヘアスタイルの話。


抗がん剤・副作用による頭髪の脱毛がたぶん止まったようなので、「よし、はやしてフサ頭復活」と剃髪をやめた。


ところが「遅い!」。生え方がめちゃくちゃ遅い。沖縄県民の“約束の時間に集合ね”っつっても誰も時間通りに来ないような、まったりとした遅さ


頭髪はダメだが、ヒゲは何だか元気よく普通に伸びてるので、仕方がない、こっちを伸ばしてみるかな、と。


「ハゲの分、髭をはやして、頭部全体の毛が寂しくない状況をつくろう」と、よせばいい気もしたが、生まれて初めてヒゲ君になることを決意。


ジジイ化はヒゲまできていて、白髪が混じる髭だが、まあよい。まだストレートに「キッタネー顔」と面と向かって言われたことはない。パリも髭面で行ったが、中国人とか何故かスペイン人に間違えられたくらいかな。


鼻くそや食い物カスが髭にひっかかったまま、エラソーな仕事の話をするような事態になることだけは避けようと心がける日々。


ファッションには無頓着で、およそ鏡でヘアスタイルや顔をチェックすることなど全く無縁だったが、「かわいいヒゲ君」でもう一花咲かしてみたいもんだ。(ムリダナ)


4月30日 午後1時に妻のパート仕事が終わるのを待って、ウサ公(最近、部屋のあちこちにションベンしまくりの赤茶のネザーランドドワーフ)と、バカわんこ(いつまでたっても飼い主を噛むしか能のない柴犬)をペットホテルに預けに行く。時給数百円のパートなのに、思うように休めないのだそうだ。しみじみ、この国の労働のありかたはおかしい!と憤る。ともあれ、そそくさと支度して成田までの400キロを自家用車で向かい、午後10時半には前泊のホテルへ。バスタブに「バブ・ゆずの香り」を入れてとっぷりと“湯につかる”はぁ~心地よい。わしは道程の4分の3くらい運転したかな、コネクトルームのドアの向こうから「げはははは~」「わはわは」、深夜のお笑い番組見て馬鹿笑いしている妻子の声が聞こえる・・・笑い声が遠のいていく・・・バタンキュー。ぐうぐう。


stageⅣの、ちょい呑みブログ
▲セーヌ川右岸・シテ島あたり。赤丸のように、ごみはちらほらあるが、まあこのくらいなら(許す!)。空港バスで通ったダウンタウンの比ではない。



5月1日 残念①=11時20分発のパリ直行便だからゆっくり朝寝坊して行く筈が、送迎バスの都合で9時にはホテルを出る羽目に。「3時間も空港で何すんだよっ。前泊した意味ねえじゃん!」/残念②=ユーロへの両替は銀行が有利だべな、と出発ロビーで交換し終えて出国手続後に免税店街見たら「うっ、こっちのが2円ほどレートいい!」。/残念③=「電気系統の故障につき出発できません」と、40分遅れで離陸。そんなのまだよいが、機内のわずかな楽しみ、機内食は搭乗前から「シーフードグラタン」に決めていたのに「売り切れて角煮弁当しかありません」だと。ちっくしょー、ネットでメシ・チェックしてそのつもりで白ワイン飲んで待ってたのによー!/残念④=11時間以上も狭い思いして、やっと着いたパリ。案内板が解読できずに空港内を右往左往した挙句、ようやく市内行きバス乗り場。これがまた埃っぽくてキタネエ場所、来るバスや車もこきたないのが多い。50分でつくところを渋滞で2時間以上かかり、車窓からの風景といえば建設現場やごみの山、ダウンタウンのなんとも言い難いさびれた集合住宅ビル群。小汚い街並ばかり延々と見せるルートをチョー渋滞でのろのろのエールフランスのバスが行く。/残念⑤=いやいや、まだあるけど続きは次に。外国の街並みなんてこんなもんだが、娘は相当ショックだっただろうな。“花の都”の筈なのに。わしはと言えば、とにかく移動初日は輸血効果も十分で体調まあまあで到着したのだ。

ったく。・・・大借金してパリ旅行を工面したというのに。

GWの一番高い時期でも何とか面白い家族旅行にするべと思ったのに。


・・・あれだけ行くまではしゃいでいた中2の娘は、パリに着いた初日から早くも「もう日本に帰りたい」。

・・・妻は、帰国した成田で開口一番「もうフランスはいいわ」。

・・・小5の息子が、一番おいしかったというのは「ハウスバーモントカレー甘口」。パリの日本食レストランで食べたやつ...はあ。


はてさて、折角医者も協力して抗がん剤治療を止めてまで行ったパリへの家族思い出づくり旅行。


ブーイングばかりの旅は何故だったのか、悲惨なお話をつづりましょう。


人の不幸は蜜の味”。中2や小5ごときでフランス・パリまで連れてってもらえるだけでも大喜びしやがれっ、と借金抱えたチュウネンコオヤジは思うのだが、なかなか思うようにならない。   みなさまには、この悲しいお話を楽しんでいただければ。



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▲ヴェルサイユ宮殿・鏡の間にて。一見楽しそうなチュウネンコ一家。オヤジは徒歩での体力が続かず車椅子を借りて見物。