以前も、中国の明朝と現政権の類似性について述べたことがありましたが、
その後、類似性についての色々な書籍を読んでいると、大変興味深い説を
見つけたので紹介します。
明末の考証学の大家、顧炎武が明末の状況について述べた次の文章は
現在と比較し、非常に似通ったものと感じられます。
加えて、昨今の我が国の政官界をも彷彿とさせる史眼と言えるのでは
ないかと感じた次第です。
このころの官吏・官僚は現在の政治家と解釈しても良いでしょう。
「大官の上に大官をおいて不正取締りをしようとするが、本来不正の
元を絶つ必要がある。しかしその政策は無い。民間と向き合っている
官僚は皆無である」
「世が栄える時代は民に近い官吏が多く、世が衰退するときは高官の
存在ばかり目立つ」
つまり、庶民、民間と遊離した政治・政府では諸般が衰退していく、
ということをいみじくも表している、看破喝破していると言える、
のではないかと思います。
では、このような時代には何が必要なのか、民の側から何ができるか、
というのがポイントですね。
明朝では結局王朝の衰退が著しくなり、満洲から後金(清朝)の侵入を
許すことになるのです。