本日の回から副題を
~パーキンソンのおじいちゃん~から
~車椅子のおじいちゃん~に
変更いたします。
片野氏の状態として純粋なパーキンソン病だけではなく認知症など
他の症状もお持ちなので、一病態に限定した言い方が現実にはそぐわ
ないということ。
そして、片野氏に似た状態の方や、どうにかしてあげたいと願う御家族、
一人でも多くの方々に私たちが直面している現実をお伝えしたいという、
特に片野氏の娘さんであられる純子さんの、思いから副題の変更を決定いたしました。
今後とも宜しくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――――――
私が初めて片野尭氏と出会ったのは、2009年(平成21年)1月16日午後4時過ぎ頃。水戸市内にあるグループホームでのことです。
そもそも私たちを引き合わせてくれた純子さんとは、後に紹介します私の叔父である金沢氏のお店「サランカヤーム」で昨年知り合いました。現在純子さん自身も身体の不調を抱えていて、サランカヤームでの免疫療法で体調を維持しています。マッサージやエステではかえって揉み返しや不快感が出てしまうので、整体やカイロプラクティックは当然避けているような状況でしたが、機会あって一度施術をして、それからの御縁です。
ソフトな手技で、リラクゼーションの代わりにもなることから、“父の身体に何かいいことをしてあげたい、少しでも楽になるなら”と、試みとして施術を行ってみることを提案頂きました。
最低でもマッサージの代わり位にはなるだろうと提案をお受けし、
同時に将来的な予測としてカイロプラクティックで姿勢の改善も可能性として考えられるので、それを技術的な目標として最善をつくす心づもりはしておりました。
実際お会いした片野氏は…車椅子にただ座り、表情は無く、声も出ず、視線も合わず。両腕は力なく垂れ、手首に動きはない。
施術の為に介助してもらいベッドに仰向けになってもらうと、両脚は「く」の字に曲がったまま、両腕も同様直角にたたまれ、
深く曲げられた猫背と亀の様に持ち上げていた頭が、起きていた時の形そのままに枕になかなか近づこうとしない。表情は苦痛の為か赤くなり、目を閉じて眉間に皺が寄り、小さく「ぅ~~」とうめく。ゆっくりゆっくりと頭が降りていく様を、私はただじっと見てました。
隠さず言えば初めて目の当たりにするパーキンソン病の御老体に衝撃を受けました。
一生懸命に、家族を支え、日本を支え生きてきて、それなのに晩年にこのように身体が不自由で、“寝る”なんて若い自分には当たり前のことも痛みと闘いながらじゃないと出来ないなんて…。
「歳をとれば身体は悪くて当たり前」現実はそうかも知れない。けれども、そんな現実を目の当たりにして、安易に認めたくない自分と出来ることがあるなら何とかしてあげたい自分が振い立ちました。
今秋田の施設にいる祖母や、将来の両親、自分らの世代や未来を担う子供達。皆のことを考えても、認めちゃいけない、まだ諦めちゃいけない。
カイロプラクティックでは、しばし奇跡のような事が起こります。何かカイロプラクティックという手段で出来ることが有るはずと可能性を信じ、少しでも力になりたいと感じ、ここからカイロプラクターとしての模索が始まりました。