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反戦運動家の正体

 

 

 

国際社会は完全な弱肉強食の世界であり、地球上から戦争がなくなることは、人類が人類である以上は永久にありえない。 




1945年に第二次世界大戦が終結し、戦勝国の手で日独に対してのみ「平和と人道への罪」なるものを裁く事後法の国際軍事裁判が聞かれて以降、現在に至るまでに世界各国は三十回以上の国家間戦争を行い、のべ一千万人近くがそれによって死亡した。 




さらに百回以上の内戦・反乱・暴動により、のべ二千万人以上が死亡している。 







近代国際法の始祖グロテュウスは「戦争は永久になくなることはない」と喝破して、現在の国際法学体系の基礎となる『戦争と平和の法』を構築した。 




現在の国際法とは戦争の存在を前提とした定義に基いている。戦争は避けられればそれに越したことはないが、しかし「戦争のない世界」なんて永遠の夢想にすぎないことを人類の歴史が証明しているのだ。 






動物には闘争本能が備わっており、人類も動物の一員である以上は弱肉強食の戦いの中に生存しており、戦争とは人類の本能的な産物なのである。



 
動物にこのような本能が与えられている根源は、あらゆる対象は安定ではなくカオスヘと向かう力のほうが強いという物理学のエントロピー概念、つまり熱力学の第二法則に由来する。
 




従って戦争とは物理学的にも当然の結果であり、「平和とは単に戦争の前ないし後を意味するにすぎない」(グロテュウス)のである。 




左翼がよく引き合いに出すところの斉藤隆夫議員の反軍演説においても、「国家競争とは、道理、正邪曲直の競争ではない。徹頭徹尾、力の競争である。






そうでないと言う者があるなら、それは偽善であります。国家競争の真髄は何か。生存競争である。優秀劣敗、適者生存である。過去数千年の歴史はそれである。未来永遠の歴史もそれであります」というくだりがある。 






左翼がこの反軍演説を引用する際には上述のくだりは意図的に省かれるのが常だが、これは弱肉強食のこの世界の原理を実に鋭く喝破したるものである。







優勝劣敗の力の生存競争の中では、いざという時にどれだけ戦えるのかという戦争遂行能力は、国家生存の大きなファクターとなる。 








かくして武力もなく弱かったチベットは強大な中共に一方的に喰われて、ダライ・ラマは追放されてチベットの領土と国民は中共に吸収され、チベット人口約六百万人の五分の一にあたる百三十万人弱が殺されるに至った。 






さらに二百万近いチペット人が独立(中共側にすれば「反乱」)を企図したとして、政治犯として捕らわれている。 






チベットでは「チベット国旗を掲げた」「ダライ・ラマの肖像を飾った」というだけで死刑にされたり逮捕されているのだ。 





中共がチベットを侵略併合したのは、インドの北進を阻止する地政的な目的に由来する。 






しかしインドは勿論のこと、このチベットの独立解放のために中共と戦争しようという大国など、地球上には一国も存在していない。




強大国の国益の前にあっては、弱小国の運命は実にたやすく葬られるのが今なお世界の現実なのである。 





この激しく厳しい弱肉強食の世界の中で、かつては無敵の強さを誇った雄々しいサムライの国であった日本、たった一度の敗戦と負け犬根性、すなわち自虐史観と妄想平和主義に捕われて、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」して「武力の行使は、永久にこれを放棄する」「国の交戦権は、これを認めない」という狂気の空想を掲げ続けるところまで行き着いてしまった。 





勿論、その狂った空想の行き着く果ては国家滅亡である。



 

私には、中共や北朝鮮が「平和を愛し公正と信義を重んじる」とは、到底思えない。 





しかし「護憲」を叫ぶ日本左翼勢力の目から見れば、金正日も江沢民も平和を愛する公正かつ信義のある人物に映っているのであろうか。 




護憲派が現憲法をそんなに素晴らしいと考えるならば、「交戦権放棄の人類理想の憲法」を中共や北朝鮮にも勧めに行けばよい。 






しかしそんな馬鹿な憲法を掲げては、生存競争に生き残れないことを中朝は熟知している従って中共は日本に対して「憲法第九条を改正するな」と言う一方で、中共自身が交戦権を放棄することなど夢にも考えないのだ。 






いざという時に戦争ができないような国は、適者生存の原理から脱落し国家滅亡へと至ることは必定なのである。 






日本が戦争放棄を定めた憲法を持ってさえいれば他国から戦争を仕掛けられずにすむというのならば、いっそのこと大地震も台風も憲法で「放棄」すればいいのだ。 




しかし日本の護憲勢力すなわち反戦反核を掲げる平和運動とは、一見単なる妄想世界の住人に見えても実は恐るべき策謀を長年保持してきた真の売国勢力でもあることを、多くの日本国民が理解する必要がある。 




そもそも日本の「反核」運動なるものは、1950年三月にスターリンの指示を受けたソ連共産党の命令で、日本共産党が「原水爆禁止運動」(後に共産党系列の「原水協」と社会党系列の「原水禁」に分派)として始めたるものである。 







ソ連は、その年の六月に金日成を使って朝鮮半島制圧のための南侵を計画しており、アメリカが核を使って反撃しないように国際世論上のプレッシャーをかける目的で、各国の共産党に「反核」運動を行うよう指示したのだ。 






朝鮮戦争を受けて1951年1月にアメリカは日本にダレス特使を派遣し国防軍再建と憲法改正を求めたが、それを阻止するためにソ連共産党は再び日本の共産党・社会党に対して「反戦平和」「護憲」運動を起こすように指示した。 




元々日本共産党は、昭和二十一年(1946年)六月に「日本人民共和国憲法草案」を作成して天皇制廃止を含む共産憲法への改憲を主張しており、GHQ憲法審議の時も衆議院本会議で野坂参三共産党議員は「自衛のための軍隊は必要だ」と主張していた。 




また社会党も「憲法に社会主義の要素がまだ足りない」として、同年三月に社会主義憲法草案を発表し憲法改正を主張していたのである。 





ところが社共両党は、1951年のこのソ連の指示を受けて突如その主張を「護憲」に転じた。 






現憲法はその第一条に天皇の条項があるが、「天皇制反対」をも掲げる共産党の真意は「護憲」というよりも「護第九条」でしかなく、その目的は対ソ支援であったのである。 





1979年十二月にソ連の中距離弾道ミサイルSS20配備に対して、NATOはいわゆる「二重決定」、つまりソ連に全面撤去を求めつつもソ連が応じなかった場合は、「1983年から核搭載可能な米国製ミサイル五百七十二基を欧州に配備する」という決定を行った。 






これを受けてソ連は各国共産党に反核運動(但し対象は米国など西側諸国の核のみ)をより徹底的に強化するよう改めて指示を下し、日本でも社共両党や労組が中心に「反核」を絶叫し、さらに全国の地方自治体の多くでは「非核都市宣言」なる馬鹿げた決議が続出するに至った。(ちなみにレーガンが実際に西欧へのミサイル配備を断行した為に、結局ソ連はSS20全面撤去に及んでいる。) 





もうお分かり頂けたと思うが、このように日本の「反戦・反核・護憲」運動とは、 
「アメリカの核や軍事力(日米安保や米軍基地を含む)に反対し、ソ連の核や軍事力は肯定する」 
「ソ連支援のために、アメリカの同盟国たる日本の自衛力保持や憲法改正に反対する」という単なる反米親ソ政治運動であり続けたわけである。
 





その証拠に共産党の上田副委員長は自著で 「ソ連の核軍拡は世界の平和を守る」 と力説しており、また昭和三十六年(1961年)九月一日の 「赤旗」はソ連の核実験再開を全面支持している。核実験を支持しておきながら「反核」も糞もない。 









保守陣営から「なぜソ連や中共の核に反対しないのか?ダブルスタンダードではないか?」と批判された時に、この「反戦・反核」陣営は「ソ連や中国の核は世界平和目的のものだ」と答えている。 




その思想的根拠は、1968年に出版された『マルクス・レーニン主義の戦争と軍隊』の中の次の一文に見い出すことができる。 






「社会主義国の国民と全ての進歩的人類の側から言えば、核戦争は自由と独立のための神聖な戦争であり、もっとも正しい解放戦争である」。 





マルクス・レーニン主義の軍事教範では「共産主義国の起こす戦争は常に正しく、帝国主義国(=自由主義国を指す呼称)の起こす戦争は常に悪である」と規定しており、 
日本の「反戦・反核」運動とは、単なる反米反日イデオロギー闘争であり、ソ連や中共・北朝鮮といった共産主義国の核や軍拡であれば歓迎するという、まさに「ノー・モア・ヒロシマ」ではなく「モア・ヒロシマ」運動であったのだ。 






つまり日本の左翼勢力は「反戦・反核・護憲」の喧伝によって、日本の防衛力を封じ、日米安保破棄を狙い、かつてはソ連そして現在は中共の対日軍事侵攻による日本共産化を渇望しているのだ。 






つまり日本で「反戦・反核・護憲」を主導する人間は、ただ一人の例外もなく全員が狂信的マルクス主義者であり、中共や北朝鮮のような共産主義国の核ミサイルであれば日本国民がいかに大量虐殺されても、それによって日本共産化か達成できるのであれば構わないという、邪悪で狂信的な「悪魔の思想」運動そのものなのである。 




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