ただの呟き

 

”親友”のKとは、付かず離れずの距離で生きている

Kと私はいわゆる会社の同期入社の仲だ

かなり目を惹く、東北出身らしい色白美人で、会社が主催した同期会で同期全員の前でマイクを使って彼女に告白した輩もいるくらい

 

見目麗しいという言葉は、まさに彼女のためにあるような言葉

それでいて、気遣いの塊のような人

 

自分の家族以外で、生涯幸せでいてもらいたい人をもし神様にお願いできるとしたら、私は真っ先に彼女の名前を出すだろう

 

「親友」なんて、背中にナメクジが這いずっているようなゾワゾワとする気持ちになって口に出さないけれど

私の人生の分岐点には、必ず彼女がいる

 

彼女は恥ずかしげもなく、ある日突然、「花子は私の親友だと思っている」と長い睫毛で、明るい茶色い瞳を真っ直ぐに私に向けそう言った

同性からの“親友”という言葉は、今まで受けた異性からのどの愛の告白より私の心を捉えた

”友達最高位”認定

ああ、私はもしかしたらこんなものに渇望していたのかもしてない、と蕩ける頭の中でぼんやりと考えた

 

中学時代の“女子”同士の嫌な諍いの経験から

中学を卒業してからは付き合いを浅くし、

相手に悟られていたかは知らないが、“女子”の振る舞いをする“女子”とは一定の距離を保っていた私にとって、まさか親友と呼んでくれる人が現れたのは驚きだった

”同期”という括りから飛び出した、瞬間だった

 

Kにとって興味本位で色々と詮索したり、無理やり心の扉をぐいぐいとこじ開けてこない私との関係が良かったのだろう

最初に出会って意気投合し、その後は一緒に旅行したり、飲み歩いたり

彼女のお陰で日本酒の美味しさを知るなど楽しい経験をした

私が辛い時は一緒に泣いてくれた時もあったな

彼女が酔い潰れて私の実家に連れて帰った時もあったな

互いの結婚式ではそれぞれ友人スピーチをやった

(ただ、私はどういうわけか”親友”ポジションだと思っていない友達からもスピーチを頼まれ易く、”友人”のスピーチしたことが複数回ある。)

それでもいつもべったりではない私達

刹那的な友達付き合いに終止符を打たせてくれた友達

 

彼女に対してはたまに話したくなって、半年に一回くらいはチャットする(私は普段から誰に対しても割とドライな方で、親にすら電話もしないし、用もなければこちらから連絡しない。)

 

去年の8月に彼女に、日本で子供の服をどこで買ったら良いか聞いてみた

通常でいけば次に話かけたくなるのは年明けだ

 

でも

 

どうしても10月頃、あまりにもくだらないけど、誰かに言いたかった話があった

 

「Kindleでタイトルが面白く、絵が可愛くてパケ買いした漫画の第1巻が5章目からいきなりエロ漫画になりました。この話聞く?」

冗談のつもりで話かけたら。。。。

 

返事は

「すんごい聞きたいけど母今手術中」

 

もう、落ち込んだねー!!!!

普段連絡しないから知らなかったよ!!お母さん病気で手術してたなんて!

それにしてもタイミング悪すぎだった、ネタが悪すぎ

このタイミングで下ネタぶち込んできたのを私らしいと待合室で笑ってくれているかもしれない

あれから5ヶ月、このメッセージのやりとしてから連絡取ってなかったな、とふと思ったのです!!!