『治る実践カウンセリング』心理カウンセラー我那覇隆裕のブログ
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その女の子は、母親に伴われて私のカウンセリングルームによって来ました。 もうすぐ中学3年生になろうとする頃です。


 初めて対面したときの様子はよく覚えています。断片的にその時の印象を並べてみと、生真面目、おとなしい、怯え、繊細、純良、信念、意志といった感じです。情感表現すると、傷つき、癒しを求めながらも怯えすくみ、震えている森のリスのような小動物といったふうになります。弱りながらも健気に一生懸命生きようとするその姿を見ているうちに、私の中に、静かなる闘志ともいうべきものがふつふつと湧き起こるのを感じました。

 

 この子をきっと救い出して見せると決心したのは、騎士道精神の発露だったのかもしれません。

 

 聞けば、その子は、小学校へ入学以来の7年間、ある短い期間を除けばずっと、断続的な中・長期の不登校を繰り返しており、学校へ行けていない期間の方がずっと長いというではありませんか。その間どうしていたのかと言うと、何人ものカウンセラー、臨床心理士、医師、指導員、生活支援担当者の援助を受けていたそうです。それらは効果がいくらかあったり、なかったりといったもので、とても根本解決にはほど遠いものでした。


 これではもうほとんど再復帰の望みはもてないといったところが業界一般の判断でしょう。

 つまり、その子を助けようと頑張る人はもう現れそうにもないということです。

 必ずしもそうであるとは言えませんが、あるいは、そうという風に捉える必要もないのですが、なぜだか勝手にそう思うことにしました。


 事情を一通り聴取し終え、状況も正しく把握したと考えた私は、本人に優しくこう言いました。


 「あなたは、人が恐ろしくて学校へ行くのがイヤなんでしょう。それでも学校へ戻れるようになりたいの?学校へ行きたいの?」


 「はい、行けるようになりたいです。」


 「私が思うに、あなたはどこもおかしくないし、学校なんていけて当たり前なところなんだから、いずれ学校へ行けるようになりますよ。そうなれるように一緒にガンバレる?」


 「はい。」


 「学校へ行きたいという子は学校へ行った方がいいから、一緒にガンバロウネ。」



 といったやりとりでカウンセリングはスタートしました。

 この後、彼女は魂の再起をかけた精神の冒険を体験します。


 彼女にとってそれは、スリル、不安、孤独感、疎外感、焦燥感と安堵感、夢、希望、誇りといったあらゆる感覚、感情の嵐の中をくぐりぬけるドラマチックな心の旅となりました。


 私はカウンセリングを進めるにあたって、よくクライエントに課題を行うことをお願いします。彼女にも大いにガンバッテもらいました。



 果たして、課題は彼女を明るい場所へ導けるでしょうか。

 そして、彼女は、自らの心を見てまぶしいと感じれるようになれるでしょうか。

 問われていたのは、カウンセラーの正味の力量でした。


 次回にこの話を続けます。




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           ●お知らせ●


今春、応用心理カウンセラー我那覇隆裕が主宰する

『心サークル』始まります!


 ✿ 『心サークル』✿

 場所: 名護市労働福祉センター(予定)

 地図はこちらを参照ください↓↓

 http://www.city.nago.okinawa.jp/4/3858.html

 

 日時: 毎週水曜日 19:00~21:30

 サークル会費: ¥1000/月

 (会費は、主に場所代、連絡費用等に充てます。)

 

 連絡先:090-2588-5051(我那覇)


 連絡はこのブログへ、もしくはお電話にてどうぞ。 


 興味がある方、是非一度サークルへ遊びにいらしてください。

 『人は幸せになる為に生まれてきた』これを一緒に体現しましょう。

 お待ちしています。



 我那覇







 先日、参加したカウンセラー研修会で不登校の問題がテーマとなりました。

 資料も配布され、その実態や公的な取り組みなどが解説されました。


 どうしても学校へ行けない子供達がいる、なぜだろう、というわけです。


 私も隣の方に訊いてみました。(その人元気がよさそうだったので。)


 その方曰く、「私は不登校は一種の社会現象だと考えています。」


 どうでしょうか。納得できますでしょうか。

 私はこれは答えになっていないと思います。分からない、知らないことは素直に分からない、知らないと言ってしまえばいいのです。


 不登校児を愛情や友情、あるいは厚情で癒そうとするのはよく見られる光景です。しかし、よほど軽い場合ならいざしらず、ほとんどのケースにおいてそれは通用しません。

 神々しいばかりの親の献身、同級生によるひたむきな援助、一見、心のすごく熱くなるドラマのような世界は実践カウンセリングにおいてはむしろ不用なのです。


 安手のヒューマニズムは人を誤らせてしまうので、そこは皆で気をつけましょう。どこまでもカウンセラーは冷めた目を持ち続けなければなりません。冷たい目ではありません。主観的自己の中であくまでも客観を失ってはいけないということです。

 納得のための納得、解釈の為の解釈に陥らないよう常に自戒を怠らないことです。


 私は、実は先の「私は不登校は一種の社会現象だと思います」という言い方に大きな不快感を覚えるのです。なぜなら、こんな解釈では自ら作り上げた牢獄の中に自らを閉じ込めている子供たちを救えないからです。


 次回は、実践不登校カウンセリングということでブログします。





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 サークル会費: ¥1000/月

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