生検で癌が確定した私は、
CT、ペット検査、食道、胃カメラ…など
ひと通りの検査を受けた。
「仕事があるから、その日は検査が受けられない。」という私に、
「仕事より検査を優先した方がいいと思うよ。
きっと、職場の人も理解してくれるはず」と
1週間後には結果が分かるようにと、先生が検査を組み込んでくれた。
それは、非常に有難いことだった。
検査結果を待つ時間は、不安の沼に落ちたかのような1週間だったからだ。
1週間待つ間にも、舌と喉の痛みは日に日に酷くなり、右耳の耳鳴りがはじまり、右の歯が痛んだ。
見えない癌が広がっていくかのような感覚。
子ども達を残して、私は居なくなるのか。
気がつくと泣いている。
睡眠薬が手放せなくなった。
そんな1週間だった。
告知を受けた時点では、動揺していないと思っていた。
けれども、たかだかパートの仕事を休めないと言い張っていたことを振り返ると、
やはり、ショックで動揺してたんだなぁと思う。
1週間後、私、夫、父、母の4人で、結果を聞きに行った。
子ども達のお世話は、義父母にお願いした。
(有難い。)
主治医は、頭頸科の部長に変わっていた。
結果は、舌がんステージⅢ。転移はなし。
右舌半分以上の切除となる為、舌亜全摘となる。
切除した舌を補う為、足の筋肉を切除して、舌に移植する。
転移はないと思われるが、リンパには非常に転移しやすい為、予防の観点から右のリンパ節も切除する。
+気管切開。
結果を聞いて、安堵した。
一番心配だった食道や、他への転移はない。
手術も受けられる。
切ってさえもらえば、生きられる。
希望さえ抱いた。
が…、この、おまけみたいな+気管切開って?
あの、喉に穴開けるやつですか?
腫瘍がある舌を切ることは仕方ないことして、
喉に穴か
ダメもとで先生に
「気管切開って、やっぱりしなきゃだめですか?」と聞いてみてた。
先生「そうだねぇ、移植した舌が腫れ上がって、最初は呼吸ができないからね。しないと、呼吸できないね。」
そりゃダメだ。切開するしかないじゃないか。
覚悟を決めた瞬間だった。
んが、入院中、この気管切開に随分と苦しめられることとなる…。
そんなこんなで、長丁場の診察を終え、
家族で家に帰り、惣菜の夕食を囲んだ。
まだまだ考えることは沢山あるが、
ひとまず手術が可能だと分かり、家族みんなひと安心した。
重苦しい食卓にならなくて良かった。
そう思った。
舌がんが分かるまで ー完ー
たった一年前のでき事が、遠い昔のようにも、昨日のことのようにも感じられます。
もう、忘れてしまったことも多い。
思い出すと、その時の記憶や感情が、ぶぁーっと巻き戻されたりもする。
こんなふうに、ブログに記録することで、
自分自身の振り返りになっているように思う。
写真は、ご近所のファーストフード店に飾られていた絵。すごく素敵
眺めているだけで、元気でる
私にも、こんな絵が描けたらな。
花咲く書道 というらしい。
教室もあるみたいで通ってみようかな
と思うけど、
絵心ない私は、ちょっと躊躇している。