20110416 神戸新聞 | 日々徒然

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[識者評論]原発震災 海外核専門家の目  ロシア科学アカデミー評議員 アレクセイ・ヤブロコフ氏

立ち入り制限区域拡大を 過小評価は極めて危険

東京電力福島第1原発事故による土壌汚染の健康への影響について、日本の文部科学省の公式データに基づいて分析したクリス・バスピー教授(欧州放射線リスク委員会)は、可能性として今後50年間に、原発を中心とする半径200キロ圏内で、がん患者が40万人増加することもあり得るとしている。

影響を最小限に食い止めるため、どのような対策を講じるかによって、この患者数は減らすことも可能だが、増えることもあり得る。事態を過小評価するのは住民、国にとって極めて危険だ。
チェルノブイリの経験によれば、大事故の後、すぐには元の生活には戻れないことを理解する必要がある。また、できるだけ早く、事故後の新たな現実を受け入れなければならない。
主要な対策は次のようなものになるだろう。

第一は、立ち入り制限区域を拡大することだ。原発から少なくとも半径約50キロとすべきだ。

第二は、食品の汚染拡大を防ぎ、健康を守るために個人が行う対策を詳しく指示することだ。(汚染地域の)全員を対象に、さまざまな放射性核種の合計被ばく線量を調べる測定を定期的に行う。少なくとも週1回は測定する。
また、放射線防護用具と放射性核種の排出を促す除染のための薬剤を配布する。

第三に、土壌汚染地域で、安全に農業を営むための勧告を作成する。牛乳の再処理、食肉の除染を進め、農業の形態をバイオ燃料生産といった技術産業に転換させる。そうした「抗放射能」農業は通常型の農業に比べ、コストが30~40%増となる。補助金の支給が必要となる。

第四に、被ばくした人々の健康への短期的、長期的な影響に対処するため、現行の医療施設の能力を早急に向上させる必要がある。おそらく新たな医療施設をつくることも必要だ。遺伝情報の解析に基づいて、遺伝治療の面から相談に応じることも対策に含めるべきだ。

第五に、チェルノブイリの教訓によれば、汚染地域の生活再建を支援するのに最も効果的な道は、省庁を横断する強力で特別な組織(省または委員会)を設置し、最も困難な最初の何年間か、汚染地域の諸問題に取り組むことだ。

ロシア、ベラルーシ、ウクライナの放射線医学の専門家、農業専門家、放射線生物学者、放射線生態学者たちには、放射能被害と闘う十分な経験があり、日本に協力する準備ができていると私は確信する。




先例から学び、取り入れようとしない不思議な日本。


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