須賀川地方環境組合 視察 |  みどり色の地球

 みどり色の地球

 共に考え・学び・行動します!  

東埼玉資源環境組合議会の常任委員会合同行政調査で福島県の2か所の施設を視察しました。
(今回の旅程と1日目伊達地方衛生組合の報告はこちら

7月12日㈮ 須賀川地方環境組合の視察報告

須賀川地方環境組合はこの春(平成31年4月)から新しいごみ焼却場が稼働し始めました。

色々お話をお聞きしましたが、後半、放射能汚染された飛灰の処理についての問題などもお話されていて、胸が痛みました。

http://www.kankyou-sukagawatiho.jp/Center/flow.html

ここでは須賀川と鏡石町、天栄村の3市町村93,336人の燃えるゴミの処理を行っています。

  唯一の国指定名所の牡丹園と円谷英二の出身地・須賀川市は75,776人、 

  近代西洋牧場・岩瀬牧場のある鏡石町は12,288人、

  二岐温泉・二岐山があり、唱歌『牧場の朝』誕生の地が生まれた天栄村は5,267人、

  世帯数33,360。

 

全連続燃焼ストーカー炉、95t/日(47.5t×2炉)で、抽気復水タービンによる1,990kwの発電設備を備えています。公設民営で、SPC(特別目的会社)・グリーンパーク須賀川を設立し、20年間で91億8000万円(税込み)で運営を任しています。要求水準書その後の15年合わせて35年を謳っています。さらに15年をプラスした50年間の施設になってもらいたいとお話されていました。

組合では建設計画で様々な方法が検討された中で、事業者の参入意欲などが確認できたことから、BDO(Design Build Operate)を選びました。この4月1日から開始したばかりですが、事務事業の軽減がされてメリットがみえてきているそうです。

グリーンパーク須賀川は運営管理・維持管理・調達計画・余剰電力の販売・環境管理業務・資源物の売却などを業務としています。一方で組合の業務は、運営モニタリング・ごみの搬入・住民対応・放射性物質の測定・委託料の支払いとなっています。今年度モニタリングはコンサルに500万円/年で委託しています。

 

組合の管理者は須賀川市長、副管理者は鏡岩町長、天栄村長。

組合議会の議員定数は11人(須賀川9人、鏡岩1人、天栄1人)

 

質問(見学しながらの質問も込)

①グリーンパーク須賀川で働いている人数は?

グリーンパーク須賀川の人員は23名で契約。現在は川崎重工の方が入ってくれていて27名となっている。

②各市町村の分担金は?

各市町村の分担金は、7割が人口割、残り3割がごみ量の実績に合わせて徴収。

〈私の意見〉

私たちの東埼玉資源環境組合は3割が平等割で、7割がごみ量に合わせた負担割となっている。これだと人口の少ない松伏にとって、3割の平等割の負担が大きく、人口の多い越谷市の一人当たりの負担額の3倍近くの負担を強いられていることになる。それを見直すべきだと議会でも質問が度々されている。人口割は平等で納得を得やすい分担方法だと思う。

 

③煙突の高さは?

煙突の高さは航空法にかからない59メートル。

 

④事業系の受入の金額は?

100円/10㎏   契約しているところは 100円/50kg

安めの設定だが、他から入ってきていることはない。実態に合わせて算出していきたいと思っている。

 

⑤市民は何分別しているか?

19品目

 

⑥放射能にどのくらい汚染されているのか?

剪定枝が入ってくると飛灰の放射能測定の数値が高くなり、約1000ベクレルほどになる。飛灰は処理できず、敷地内に積 むように保管されている。

⑦ごみ質で紙類が多いが、雑紙など分別をされているのか?

雑紙はやっていない。処理施設をつくるにあたり、地域計画を立て環境省に提出するのだが、環境省から、まずは減量化をすることと指導されている。東埼玉資源環境組合の雑紙袋など、参考にさせていただきたい。

 

⑧発電量は1,990kwとなっているが?

高圧受電は2000kwまで、それ以上は特別契約となるため、1990kwとしている。

 

⑨委託費用は1年で4.6憶。組合の人権費が出ていないが?

組合の職員は自治体の予算から出ている。また、予算と会わないのは、売電料や金属の売り上げなどはセンターの収入となっている。

〈私の意見〉

比較の資料の読み取りで気を付けなくてはならないのが、東埼玉資源環境組合とクリーンセンター須賀川の職員の人件費。東埼玉は事務職員の費用も込であるが、須賀川の方の人権費はセンターの職員のみで組合の人権費は入っていない。なお、職員数は須賀川が19名(最終処分場・し尿処理施設)、東埼玉は50人ほど事務職員がいる。

 

⑩フレコンパックの袋が粗大ごみのところにあるが?

 たい肥の放射能が高く利用できないもので8000ベクレル以内のモノはここで焼却処分している。

 

昼食 万松(須賀川市)
 
歩いてすぐのところにウルトラセブンが!エレキングが!街灯も!街灯から音楽が流れてきていました。
  
 
今回、福島への道中が長く、研修時間そのものはアッという間のものでした。他自治体の、また新しくできた施設の視察はとても貴重なものでした。私たちの東埼玉資源環境組合では2016年に第2工場が建設され、2018年にはし尿処理施設も完成しました。今後、メンテナンスに入った第1工場の、さらに15年後の姿を模索する時期となってきます。建て替えなのか、改修なのか。色々と参考になる視察でした。
そして何より、この研修でとても良かったのは、初めての組合議員としての視察で、他自治体の市長、議員、また職員の方々とご一緒できたことです。大先輩方との何気ない対話の中にも大小様々なところに感銘を受けながら、今後の議員活動にすごく参考になるヒントをたくさんいただきました。受け入れてくださった方々、また、同行された皆さま、2日間大変お世話になりました。ありがとうございました。