第二話

 

こんばんは。

 

 

わたしの父は食道がんでした。

 

1998年、ノストラダムスの大予言の前の年に

父は唐突にこう言ってきました。

 

 

「たえこ、お父さんな

この間会社の健康診断でひっかかって

病院へ行ったんや

 

そしたら

食道に がんがあるって

先生に言われたんや」

 

 

わたしは、あまりにも驚きすぎて

頭の中がドバっと冷や汗をかいたような

息が止まったような感覚で

 

 

それでも慌てているのを

父に悟られてはいけない気がして

とっさに口にしました。

 

 

「そんなん、あれや。

がん て言っても初期なんでしょ。

 

初期やろ?

悪いところを切ったら、すぐ治るらしいやんか」

 

 

父はわたしの言ったことには

返事なのかどうかわからない声で

 

 

「そうやな、なんかステージ2のはじめって言ってたな」

 

 

そう言い、テレビのある部屋へ行ってしまいました。

 

 

当時わたしは、がんについては何も知識がなく

がん と聞くと

うっすら「白い巨塔」という医療ドラマぐらいしか

思いつかないほどでした。


しかし、実際に自分の父親が 

がん になったと聞かされ

 

 

まさか

まさか

まさか

 

 

まさかウチに限って、そんなことないよ

と、父から がん告知の話しを聞いても

信じられませんでした。

 

 

父が58歳

わたしが28歳

ここから、父のがん闘病と

わたしの看病の日々がはじまったのです。

 

 

繰り返えしてしまいますが

本当にわたしは がんに対して無知だったし

懸命に看病をするしか

考えがなかったように思います。

 

 

さて

父の がんだと告げられた次の日は

わたしは、なぜ医師は父に告知をしたのかと

怒りでいっぱいでした。

 

なぜ、わたしを一緒に説明してくれなかったのだろう…
そして、自分が何をすればいいのか

全くわからず途方に暮れました。

 

 

 

 

 

次は3話になります。

 

わたしは、がんについて知りたいと思い

いろんな人に聞いたりしますが

情報は簡単には集まりませんでした。

今のようにスマホもない時代

わたしは焦りながら、本屋に駆け込んだのです…

 

 

 

 

 

 

続く

 

ブログテーマ

「父を早く死なしてあげたいと思った」

 

がん家族セラピスト

酒井たえこ

 

 

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