【ACE=Adverse Chilohood Experience(子ども期の逆境体験)】

0歳から18歳までの子ども時代に経験する、トラウマ(心の傷)となりうる出来事を指します。たとえば、虐待やネグレクト、家族の精神疾患や依存症、近親者間暴力などに曝される体験をいいます。

1990年代からアメリカではACEの研究がなされ、ACEをスコア評価して成人後の心身の疾患や問題行動の関連を調べています。すると、心身への悪影響だけでなく、失業、貧困、社会的孤立、子育ての困難にACEが長期にわたり影響を及ぼすことがわかってきました。

[ACEアンケート 18歳になるまでに次のような体験があったか?]]

1.親や同居する大人が、あなたを叩いたり殴ったりした(身体的虐待)
2.親や同居する大人が、あなたを罵倒したり侮辱したりした(心理的虐待)
3.5歳以上年上の人や大人が、あなたに性的に触れたり、性行為を強いたりした(性的虐待)
4.あなたに十分な食事や衣服を与えたり、医者に連れて行ったりしてくれる大人がいなかった(身体的ネグレクト)
5.あなたを安心させ、守ってくれる大人がいなかった(心理的ネグレクト)
6.両親が、別居または離婚をした(親との離別)
7.親や同居する大人が、叩いたり殴ったり、殴りあったりしていた(近親者間暴力)
8.アルコール問題を抱える人や、薬物を乱用する人と同居していた(家族のアルコール・薬物乱用)
9.うつ病や精神疾患、自殺願望のある人と同居していた(家族の精神疾患・自殺)
10.服役していた、または服役を言い渡された人と同居していた(家族の服役)

以上の質問に対する、「はい」の数の合計がACEスコア(0~10)。


このACE調査の「成人後の健康に与える影響」では、ACEスコアが高いほど成人期に疾病に罹りやすい、健康に対してリスクとなる行動をとる、精神状態を悪化させやすい傾向が見出されています。

そのなかで「がん」もスコア0の人に比べスコア4以上の人は1.9倍と高くなっています。

(以上、「ACEサバイバー」三谷はるよ ちくま新書 より)

 

 


 

 


がん発病をきっかけにACEや愛着障害に気づかれる人もいます。

 

 

*参照 無料レポート

「愛着障害とがん患者さん」

 

 

 


がん患者会や個人相談でACEや愛着障害が背景にある人に出会いますが、レジリエンス(逆境からの回復)を発揮できる人がいる一方で、それらが治療の進め方や生活習慣の改善の妨げになっていると思われるケースがあります。

お心当たりの方は、専門家にご相談になってみてください。

成人になってからでも、社会との繋がりのなかで安心、安全な場や人と出会うことは可能です。

 

 

 

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