木曜の朝、体育館の公開指導で健康太極拳を担当して数年。1時間の練習ですが立禅に10分ぐらい割いてます。チケット制で出入り自由のスタイルです。
今朝は30人ぐらいの参加者でしたが立禅の様子を見ていてハッとしました。皆さんそれぞれに内面に集中していて力の経路がスーっと通っている感じ。壇上から見えるフロアは場の力がとても強くなっているように感じられて感動的でした。数百円のチケットで週 1回やっているだけの場で、ですよ。飽きないで練習していればこういう時がくるのですね。
継続は力なり。
今朝の光景は神々しかったなあ。
 モノノ本には虚歩は後ろ足の足首、膝、股関節が垂直面上に揃うと教えています。でも、実際には股関節が外側に出ていることが多いですよね。分かっていても、なかなかできないものです。
なんでかな、と考えました。
 股関節が外側に出てしまうのは、重心の落としどころと関係してるのだと思います。
 軸足の足首、膝、股関節を垂直面上に揃えることを、下肢の「切面を整える」と言いますが、切面が整っているとき、重心は軸足の直上には落ちていません。少し転びかかっているような不安定な状態で立っているのです。他方の足の助けがなかったら立っていられません。でも、感覚としては、軸足(虚歩なので後ろ足)の直上に坐る感覚になる。后坐といいますね。この矛盾した状態が難しく、人は後ろ足に重心を移していくとき、正常な身のこなしとして、股関節を外側にはみ出させて片足でしっかり立とうとしてしまうのです。
 話、ややこしかったですね。
 では、なぜそんなややこしいことをしなければならないのでしょう。重心を支えの無いところに置く、虚のポイントに置くことによって、相手の前から消えることができるからです。これ、推手のとき大事です。