外国の方の相談に対応する難しさ | がん患者等の治療と仕事の両立支援、就労支援に取り組む社労士のブログ

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私はがん経験のある社労士です。治療と仕事の両立、就労に不安のある方にいろいろお伝えしたいとブログを始めました。

 

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ベトナム人の女性が

来日後の経緯を話し始めました。

 

相談したい内容がつかめず、

しばらくその話にお付き合いしながら

 

年金記録を確認しました。

 

 

お話の通りでした。

 

 

 

 

 

 

免除の話になったので、

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと結果も出ています」

 

 

そうお答えすると

 

「今は厚生年金に入っている。働いていて、今なら払えるから」

 

とおっしゃいました。

 

 

きょうの目的は『追納』のことだったのね!

 

ようやく納得がいくと

 

 

ここからは日本語のやり取りは難しいと思い、

 

ベトナム語の通訳サービスを依頼しました。

 

 

 

※追納とは、免除や猶予された期間の年金保険料を10年まで遡って支払うことができる制度で、これによって年金額の減少を防ぐことができます。

 

保険料の免除もしくは納付猶予の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされますので、お早めの追納をお勧めします。(日本年金機構より)

 

 

 

 

 

 

通訳はベトナム語を母国語としている方のようでした。

 

社会保険関係の通訳は難しいのではないかしら・・・

 

案じながら何回かに区切って説明して、

 

その都度、通訳の方にお願いしました。

 

 

追納申込みの書類をお客様にお見せし、

 

追納の説明を聞いていただくのです。

 

 

食い違うところを何度も繰り返し、

少しずつ理解していただきました。

 

 

そのとき、突然お客様が日本語でおっしゃいました。

 

「私、永住権取りたいね。だから国民年金保険料払う」

 

 

そういうことだったのね!!

 

ようやくきょうの目的が私にも理解できました。

 

 

永住権の申請には

いろいろな条件があります。

 

 

その中で、

 

国民年金保険料や国民健康保険料の

 

納付状況を確認できる書類が求められています。

 

 

 

「免除承認済み期間であれば

未納ではないので大丈夫かもしれませんが、

 

私の記憶違いだといけないので

 

年金事務所に確認しますね」

 

通訳の方にその内容を伝えていただき、

 

電話をしました。

 

 

 

 

以前、A年金事務所に勤めていたときに

 

永住権取得を目的とする外国の方からのご依頼で、

 

納付の記録や納付証明書の交付に

関わったことがありました。

 

 

そのことから

 

管轄のB年金事務所でも

同じように対応してくださると思ったのです。

 

 

けれど、電話に出られた方は

 

「それはこちらではないです。

入国管理局に聞いてください」

 

とおっしゃいます。

 

 

 

お客様は永住権取得の条件をご存じだからこそ、

 

いらっしゃったのだと思うのです。

 

私の説明が足りなかったかもしれません。

 

あるいは、年金事務所によって対応が違うのでしょうか。

 

 

腑に落ちない思いのまま、

 

通訳の方には

年金事務所に聞いた結果、

 

入国管理局で聞いてほしいと言われたことを

 

伝えていただきました。

 

 

結局、お客様の求める答えにはなりませんでしたが、

 

「ありがとうございました」

 

と笑顔で帰っていかれました。

 

 

 

言葉の違いからスムーズにやり取りできなかったこと、

 

年金の知識、永住権取得のための知識が

お客様・通訳・私のそれぞれで違うことなど、

 

 

いくつもの壁に阻まれて

 

残念な思いが残りました。

 

 

 

 

 

 

 

私は夫が転勤の多い企業に勤務していたので、

 

国内の何ヶ所かを転居しています。

 

日本語で生活できるところでさえ、

 

地域性もあって

誤解や意識の違いがあるのに、

 

 

外国で働き、生活するとき

 

どれほど多くの困難にぶつかるかを思うと、

 

尊敬の念が湧きます。

 

 

たとえば、日本でがんと診断されたとしたら

 

検査結果や治療の説明、制度や治療費のことなど

 

 

どれだけの外国の方に理解できるのでしょう。

 

 

 

以前、中国やフィリピンの方が、

 

同じ国の人同士、横の繋がりが強いとおっしゃったことを思い出します。

 

 

 

 

不愉快な思いをおかけしないために

 

きょうのことを忘れないようにしたいと思いました。

 

 

 

ブーケ2 ブーケ2 ブーケ2 

 

 

あすは桃の節句ですね。

 

友だちにもらった桃の花の蕾もふくらんで

いくつか花を咲かせています。

 

これからいろいろな花が咲き始めるでしょう。

 

お読みになった患者様、ご家族様の心に春の光が差し込みますように