JR京葉線のサウナ事件 | 新田鉄人「久慈だョ!全員集合」

新田鉄人「久慈だョ!全員集合」

難病と闘いながらピンの鉄道芸人、その他で活動する、元本物の鉄道の駅員と電気部、さらに保線の経験を持つ、新田鉄人のブログへようこそ!岩手県久慈市公認、北三陸久慈市ふるさと大使。潜水士の資格取得済。

荒川夢悟「テツろぐ」-東日本205系.JPG
ここ数日、停車駅通過に近いようなオーバーランなどのトラブルが相次いだ首都圏のJR線ですが、ニュースや新聞などでご承知の通り、昨日は京葉線で停電事故がありました。
筆者は、第一報が入った時は詳しい状況が分からず、夕立の落雷でもあって停まったのかくらいにしか思っていませんでした。しかし、それ以降入ってくる情報から、珍しい停電の仕方だったことが分かってきました。
停電があったのは昨日13時50分頃で、京葉線越中島変電所から出火、送電が止まって下り電車が新木場~葛西臨海公園間で立ち往生、当初復旧の見込みは17時とされました。これは、別の変電所の電気を使えば電車が再び動き出すのを想定した計算です。ところが、実際に復旧したのは21時になってからでした。立ち往生した電車は、ちょうど川の真上だったこともあり、下り坂を使ってトロトロ動かし、新木場駅に近付けて乗客を線路上に降ろしました。もちろん、架線に電気が流れなければ補助電源もストップ、車内の照明やクーラーも使えません。以前、京浜東北線で立ち往生事故があった際、車端部の小さな窓がわずかに開く程度の209系で、車内で急病人が何人も出たため、その後、停電に備えて廃車直前の車両も含めて大きな窓も、片側1ヶ所を除いて開閉できるよう改造が行われています。
今回の事故は、変電所を切り換えて送電してもブレーカーが上がってしまったのが大誤算で、復旧に時間がかかってしまいました。電車を走らせようとすると、ブレーカーが上がってしまうのです。立ち往生した電車側に問題があったのです。この205系は、モハは2両で一つの役割を果たす構造で、10両編成の中に3組入っています。パンタグラフは1ユニットで1基。どのユニットのパンタグラフを上げると変電所のブレーカーが上がるかは、既に特定されています。
もうこれは、電車の回路の中でショートが起きたようにしか思えませんが、家庭のコンセントや電気機器で起きたら火災になる危険性もあります。回路の構成自体を見直す必要も出てくるかも知れません。