公開中のアニメーション映画
「ルックバック」を、妻のofferにより観て来ました。
上映時間が70分ほどと短編なので当日券¥1,700。
その代わり優待券は使えません。
原作は「チェンソーマン」の、
藤本タツキ先生による同名作品です。
webで立ち読みしましたが、
かなり忠実にアニメーション化されています。
漫画のアニメーション化に於いては、
原作者とアニメーター双方にリスペクトがあります。
そういう点では「セクシー田中さん」のような、
理解の乖離が生じません。
↓以下ネタバレあり。笑
タイトルからしてポジティヴな印象を得にくいなあ…
という先入観。きっと過去を振り返るのでしょう。
鑑賞後妻にそう話すと
「背中を見る、というニュアンスもあるんじゃない?」
と。確かに藤野は京本に向けて
「京本も私の背中を見るようになったか」
と言いますし、藤野の背中を描くシーンが、
とにかく多かったのが印象に残ります。
そうは言っても、
京本が美大に進みたいと吐露した時の、
藤野の反応には反発を覚えました。
私無しでお前に何が出来る!
これは夫が妻を支配する常套句です。
藤野は京本の画力に圧倒されつつ、
ストーリーを作った私の偉業だと、
誇示したかったのだと思います。
コンプライアンス的にはまったくアウトです。
私どもふたり揃って重く哲学的な作品を好みます。
ああ、また終了と同時に立ち上がれなく、
言葉を失う映画を観てしまったと閉塞を覚えます。
藤野は暴漢に襲われた京本の悲惨な死に直面し、
何故あの時外へ連れ出したのだろう…
と自責の念に捉われます。
妄想の中で暴漢に蹴りをかまして京本を救うものの、
背中につるはしを受けた藤野に向けて、
後ろを見よ、と自虐しています。
ここからは私見です。
藤野は京本への弔いの気持ちから再起し、
アトリエへ戻り一心不乱に執筆を再開します。
休載していた"シャーク・キック"に、
取り組んでいる様が描かれます。
人の死というものは受け容れてこそ慰霊になります。
自分があの時こうしていれば避けられた、
と考えるのは青二才のすることです。
(且つてそういう経験を二度しました)
これからを生きる若い人たちには、良心の呵責による、
罪の意識など持たないでもらいたいものです。
またこれも何かの暗示なのかなと思うのが、
連載中にアトリエの本棚に増えていく単行本。
その数が1・2巻は各二冊だったのが、
10巻となると五冊くらいあるのです。
これに妻は「言われてみれば…」案件だったようで、
「どう?オタクの風上に置ける洞察でしょ」
とドヤ顔しておきました。笑
この日のチェーナは妻からのリクエストでした。
費用は全額私負担なので、
せめてランチは我儘を聞いてもらいました。
鴨南蛮蕎麦。
鴨の血の香りは希薄ながら、
焼き葱が煮られてくったりとしていい具合です。
蕎麦も生そばなので、
香りも歯応えも申し分ありません。
でもイヤな"もの"が目に入りました。
ひとりで食事しているBBAが片肘突いていたのです。
いい歳してみっともないったらありゃしねえ!
矯正を促す人が居ないからひとりなのでしょうか。
なのに金は持っているという謎BBAです。
モザイクどころか黒塗りにしたい案件です。
"なにかイヤなものを見ても それは人生の修行さ"
by大槻ケンヂ
わ り き れ ね ー っ っ !
お付き合いくださりありがとうございます。
能登半島の復興が進みますよう心より願っております。
暑中お見舞い申し上げます。