こんにちは、

あるいははじめまして。

日々の献立を綴っています。

よろしければ立ち寄っていってください。

 

火曜日に読み始めた遠田潤子著

月桃夜

を読了しました。

 

舞台は江戸時代の奄美大島。

薩摩藩の植民地だった頃のお話です。

さとうきび農園の隷属的農夫の少年フィエクサと、

その農園に身を売られた少女サネンの物語です。

ふたりは兄妹の契りを交わし共に暮らし始めます。

そして兄が十七、妹が十五になったある日、

招かざる出来事に見舞われるのです…

 

やはり遠田ワールドの原点は、

確かにここに認めることが出来ました。

 

↓↓ネタバレは欄外に載せます。

 

 

 

献立

大根葉炒め 

鱈子と白滝の炊いたん

白菜の生ナムル

根菜のぴり辛味噌汁 お揚げ

きぬひかりのご飯 (市内産新米)

 

 

「土を喰らう十二か月」の最終盤でツトムが作るのが、

大根葉炒めとふろふき大根でした。

それを観てから無性に食べたくなったのです。

変色しないよう炒めたら別器に移します。

 

白菜は細切りにして生のままナムルに仕立てます。

嵩が半分ほどになるので塩は薄めにします。

 

味噌汁は昨夜のほうとう鍋のリメイクです。

汁と野菜を流用しました。

 

 

お付き合いくださりありがとうございます。

дякую デャークユ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるきっかけからフィエクサは、

薩摩藩の役人を殺してしまいます。

そしてサネンとともに山中へ逃亡します。

ことのきっかけは、

サネンと彼女を見初めた薩摩の役人に対し、

愛人関係になるのが許せず、

フィエクサが断固として反対したことに由ります。

なぜならフィエクサも、

サネンを女として意識していたからです。

 

さらにあろうことか、

兄は衝動に逆らえず妹を強姦してしまいます。

山の神に誓った筈の兄妹の契りを破ってしまいます。

逆鱗に触れたふたりに、

山の神は冷徹に契約の実行をします。

 

この小説は、

フィエクサとサネンにまつわる

「島のはなし」と、

現代に産まれた茉莉香と鷲にまつわる

「海のはなし」が、

交互に展開されます。

 

魂の抜けかかかった茉莉香は、

大海原で自死を遂げようと漂流しています。

そこに大きな鷲が現れて島の昔話を語り始めます。

それを聴いていた茉莉香の心に変化が現われます。

 

夜明けとともに茉莉香は島へ戻ろうと、

必死に素手でカヤックを漕ぎます。

何度も何度も挫折しそうになりながら。

 

 この辺りの描写は後の氏の著作

 「雪の鉄樹」の中で、満身創痍の雅雪が、

 舞子の待つであろう新居を目指して、

 何度も挫けそうにながら、

 歩みを進める場面に似ています。

 

最終盤。

茉莉香が鷲のフィエクサに礼を言うところで、

涙腺が決壊しました…

 

 

本作は、

琉球王国と薩摩藩のまつわる史実に通じていると、

より一層満喫出来ます。

簡単に要約すると…

 

琉球王府には侵攻しないから、

与論より北の奄美までの島は、

植民地としてこっちに寄越せよ。

という薩摩藩との取引があったのです。

その後琉球処分を経て、

今でも与論より北の島は鹿児島県に属するのです。

 

それでも今となっても、

奄美より南の島は琉球だと、

私は認識しています。