7階の窓は東に向いています。
目の高さの近いところに灯りが見えます。
そのことから窺えるのは、
この地の坂道がなかなかの勾配だということです。
アウェイとして訪れるにはよいかもしれません。
しかしながら、
この街に暮らしたいとはまったく思いません。
「住めば都」
などと言っても無意識に精査しているのです。
丘の上は保守で下は無党派。
選挙戦の最中そのような憶測をしてしまいます。
昨夜は久しぶりの愛読書に手をつけました。
真保裕一 「奇跡の人」
ホテルのシングルルームにて栞をたどります。
八十一頁の
「君の奇跡を少しでも分けてくれないか」
というところで涙腺が緩みました。
私に奇跡など起きないと知っていても、
藁をもすがる気持ちがあることに失笑します。
そしてそこかしこに現れる
「僕は母を信じたいと思っている」
という言葉に不穏を感じずにはいられません。
普段の生活にTVは無縁です。
番号を維持するためのガラケーの、
ワンセグ機能が発揮します。
でも今夜は32インチ液晶で好きな番組を視聴します。
ここぞとばかりダーウィンが来たなど
知的コンテンツを堪能します。
妻はサービス業なので夜型の生活をしています。
それに合わせるについて難は無いものの、
私の本能は異を唱えているようです。
この身を離して、
ひとり考える機会は設けるべきもののようです。
今は自分のことで精いっぱいですので、
大局に思いを致せないことをお許しください。