生演奏で聴いた曲の中で、

最も回数が多いのが「チャイ5」です。

初めてはサントリー都響の公演。

ベルティーニだったか、

インバルだったか、

記憶が曖昧です。

 

次は総合文化ホールでの、

マエストロ・コバケン。

オケ覚えてません。笑

マエストロ自ら、

会心の演奏でしたと語っていたのは記憶にあります。

 

さらにみなとみらいでのロシア国立響。

後期三大交響曲を一度に演奏するという、

演奏者にも聴衆にもしんどいコンサートでした。

とは言えさすが国立。

三作の中で最も素晴らしい演奏でした。

 

いずれにしても私が最も好きな交響曲は、

チャイコフスキーの5番なのです。

 

今回は小泉和裕が振る神奈川フィルの公演です

ちょうど YouTube に、

川瀬賢太郎/神奈川フィルの

「チャイ5」があったので予習しようと聴いてみました。

んーこれは無しだな。

チャイコフスキーに造詣が無いというか、

テンポが遅くてブルックナー休符かと思ったし。

 

川瀬氏が、

三流オケを振ったコンサートはやっつけだったのに、

学生オケの幻想なんかプロより上手かったし。

海の物とも山の物ともよくわからないのが、

川瀬賢太郎の印象です。

 

さてマエストロ小泉に話を戻します。

1曲目のモーツァルト40番はとても精緻。

美しいアンサンブルにマエストロの円熟を感じます。

「チャイ5」への期待が膨らみます。

 

川瀬賢太郎ほどの緩いテンポで始まった第一楽章。

でも聴かせ所では緩急自在の圧巻のトゥッティ。

さすがマエストロ小泉。

第二楽章の締めくくりの、

消え入りゆく弦のデクレシェンドの何と美しいことか!

感涙に身震いしました。

 

第四楽章の第一主題はやはり緩いはじまり。

不安を感じさせるテンポです。

でも最終盤で再び現れる第一主題は、

凱旋行進曲の如く堂々としたテンポでした。

これぞ永久凍土に敗けるものかと、

心の奥底で煮えたぎる情念。

まさにこれがチャイコフスキーのダイナミズムです。

素晴らしい演奏でした。

 

終演後は駅構内のストリートピアノに聴き入りました。

独り占めすまいと、

一曲ずつ退く男性が何度も弾いてくれました。

中でも小坂明子の「あなた」は、

口ずさみながら涙腺が緩みました。

 

他にも入れ替わり立ち替わり演奏者が現れます。

子犬のワルツをしれっと弾き逃げしていったマダム。

スーパーマリオを一声で弾く小学男児。

プレイヤーの数だけドラマがある。

そんな風に思いました。

 

結局40分も滞在。

演奏には無縁な私ではありますが、

何か一曲くらいものにして、

披露できたらいいな…

そんな夢が出来ました。

 

夕食はデリ弁当を頼ります。

大粒牡蠣フライ弁当にベトナム春巻きです。

 

 

 

お付き合いくださりありがとうございます。