コロナ以前のある晩のこと。

閉店時刻が近かったので回転寿司店のレーンには何も流れていませんでした。

目の前に立つ職人さんに直に注文していました。

スタッフの采配により職人さんに客が集まるよう仕向けられていたのです。

 

とそこに若いカップル来店。

私の左隣に案内されて着席、いや無理。絶対無理バツレッド

香水が酷くて頭痛がしました。

即座に席を立ち会計時にクレームするとマネージャーが呼ばれたので、

怒りと信念に任せて、

思うぞんぶん寿司と香水は相容れないものだと講釈してくれてやりました。

 

これはソーシャルディスタンシングそのそものです。

人と人との物理的な距離を図る概念です。

それに対して人と人との精神的に干渉しない距離を図るのが

ソーシャルディスタンスです。

日本人は後者に優れているなどとまことしやかに言われてきましたが、

このコロナ禍以降どちらも疎かになっているようで油断は禁物のようです。

 

献立

宮崎風冷や汁

麦ご飯(ななつぼし)

茄子の浅漬け

十余年物の梅干叩き

焼きがんもどき

先日の¥200/5pcs.の、いなだかまを流用します。

5ピースのうち2ピース残したので、

2pcs.の身は取外し5pcs.分の骨皮から出汁を抽出します。

いなだの旨味はもちろん焼き魚の風味を生かします。

それだけでは足りないので煮干し出汁1パックを切って加えます。

塩分とミネラルが足りなくなりがちな夏なので味噌は強めにします。

梅干と併せると冷汁が進んでしまいます。

かつての農村、漁村に於ける素朴な料理を、

現代風にアレンジした"真鯛だし冷や汁"もとても美味しいものです。

されどこの料理の真髄は質素と合理にあると考えます。

鯖缶にてその味わいを再現するのはその延長線にあると思います。

今ここに生きていることに感謝していただきます。

 

お付き合いくださりありがとうございます。