会社の先輩のその人とは、

昔よく雪山へ滑りに行っていました。

その頃は婚前で何にも縛られていなかったからなのか、

とにかくアグレッシブでした。

無謀にもアイスバーンと化したクロスコースに入り、

激しくクラッシュしていたのは今となっては笑い話です。

 

はじめてのセッションのとき、

妙高杉ノ原へ向かう車中でこんなことを言われました

「そんな病気なんて気のせいだよ」

他意は無いと分かっていたので、

虚しい気持ちにはなりませんでした。

少なくとも言えたのは

「この人は心を病むことはないだろう」

それほどまでに快活だったのです。

 

その後結婚を機に、

ショートスキーをぱたりとやめてしまったのです。

理由は一切明かしてくれませんでした。

そして昇任を繰り返すうちに、

痩せて顔色が悪くなっていきました。

そしてある時、

突然出社できなくなったのです。

心の病には縁遠いと思っていたのに。

そのまま長い長い療養生活に入ってしまいました…

 

時は流れての昨年秋、

現場復帰を目指して週に数日・数時間、

顔を見せるようになりました。

声が細くなりあの快活さは微塵もありません。

そうして慣らしてゆき、

数箇月でフルタイム出社に復帰できて安心しました。

その後、私が休職することとなり、

顔を合わせることも、

連絡することもありませんでした。

 

復帰支援から半年。

先般届いた社報の令和元年度退職者一覧に、

その名を見つけてとても驚きました。

結局、一度折れたものは接着しても元には戻らない、

そう思い知らされました。

やるせないです。

私の行く末を見る思いがします。

 

それでも人は食べて生き延びるのです。

 

献立

鯵の干物焼き

温豆腐肉そぼろ餡(余)

いんげんの胡麻甘醤油和え

小松菜とお揚げの味噌汁

日本のご飯

 

血となれ肉となれ骨となれ!

 

きょうも読んでくださってありがとうございます。